1話本当に空が飛べたらいいな。追いかけられても空に逃げればうまく逃げられそう。
大きな傘を使ったら空飛べるんじゃないかな。子供の体重なら軽いしあるいは飛べるかも。
傘は折りたたみじゃダメ。すぐ反対側に折れて風を受けられなくなるから。
そしてある雨の日あたしは本当に空を飛んでみることにした。
大人用の大きな傘を使って。ちょっと高いところから勢いをつけて段差の所でジャンプ。ちょうど強めの風が吹いていたこともあってあたしの体はふわっと浮き上がった。
傘はしっかり掴んでたんだけどバランスを崩してあたしは地面にたたきつけられた。胸を強く打って息ができなくなった。吐くことはできても吸うことができない。
雨の仲倒れて動けなかったあたしをまわりの人はバカをみるような目で通りすぎていく。息はまだ戻らない。
息が苦しい。なんだか頭がぼうっとする。こんなささいなことで人って簡単に死ぬんだね。
そしてそのままあたしは意識を失った。
完
-----------------------------------------------
残念ながらこれで打ち切りエンドにします。いろいろと書けなかったことも多くて彼女が考えていたことがちゃんと伝わらないのではないかとちょっと心配です。24時間365日暴力その他に苦しみ今の自分の延長が将来の自分と考え未来に絶望しか見いだせない様をなんとなくでも想像できるようならこれを書いた意義もあるのかなと思っています。
長らくのお付き合いありがとうございました。