"回復へのプロセス"
障がい者と共に歩むグループ支援勉強・相談会報告・第1回〉
NPO法人縁側のなから理事 田中敏夫(ソーシャルワーカー)
相談に見えるまでの経過概略
症状が不安定⇒薬が増やされる⇒症状が悪化⇒薬が増やされる⇒ある精神科医に九割を漢方薬にと勧められる⇒安定して週1回作業所に通えるようになる
(西洋薬は寝る前の安定剤2錠)
母: 「娘は毎朝薬を煎じています。具合の悪い人間が毎朝煎じるというのは大変なことだと思います。でも、娘はそれを1年4ヶ月続けています。」
自分の苦労を自分で背負えたら、自分が変わった。
母: 「先日の勉強会でお話した娘が、その問題にぶち当たって、いろいろな方に相談する中で問題解決への光が射してきました。自分が変わってきたと言ってます!夢みたい!
またここで、一つ相談です。 その問題の渦中で作業所の仲間が傷つき、引きこもってしまいました。仲間にたいして娘には何ができるでしょうか?」
父:「これまで娘には離人症の症状が有り、何かをやってもテレビの中の自分を見てる感じ、と言っていました。最近は自分がやっているという実感が持てるようになってきたようです。」
母:「こうなったらいいなということが、娘を含めたいろいろな人の動きの中で実現に向かい始めました。 これまでは、ここまでならできるんだと言う自信がなかったようです。
そうしたら、娘と私の関係も良くなってきています。」
〜離人症からの回復〜
(*離人症とは〜精神病理学用語。 生命的感情の喪失感。 非現実感・空虚感・非自己所属感の3つに分けられる。 すべてが他人事のように感じられる、一種の解離症状。)
田中:『 お母さんの表情にも、光が射していますよ!(笑)
娘さんが目の前にある苦労を背負えたんですよね。 自分の苦労の主人公になれたら、離人症も軽くなってきたと・・・。傷ついて閉じこもってしまった通所仲間のところへ行って
この間の自分の体験をお話しするのはどうでしょうか?その人にあった通所場所が見つかるといいですね?』
しばらくして、その娘さんから電話がありました。
本人:「 先ほど母から電話があり、田中さんに電話してほしいと。」
田中:『 お久しぶりです。 お母さんからこの間の状況を聞きました。 傷ついた人に、あなたのこの間の動きなどをお話しするといいと思います。』
本人:「 アッ、それは考えつきませんでした!」
田中:『 それはあなたにしかできないことです。 また電話くださいな。』
以上。