
いつなくなったかはわからないのだが、その昔池袋西口に『ジャンゴ』というちょっと有名なジャズ喫茶があった。当時のジャズ通はたぶん知っているはず。西口駅前のマクドナルドがある一角の裏通りの2階にあった、小さくて汚い店。ちなみに上記画像は俺が急遽作ったCGである。
店の売りとしては、パラゴンという特大スピーカーが設置してあることで、あの店で(たぶん20席ないくらいの店)でそれを常に大音量で鳴らしていた。当然お客さんの注文は聞きにくいし、お客さん同士の会話もできないのでひたすらサイフォンコーヒーを飲んで黙ってジャズを聴くという店だ。スタンダードからフリージャズまで選曲は店のスタッフ任せだったかな。
実は俺はその店の経営者がやってる同じビルの地下の喫茶店で大学時代ずっとバイトしていて、ジャンゴにも何度か手伝いに行ったことがある。当時ミュージシャンを目指す学生や音楽浪人の若者が入れ替わり立ち代わりアルバイトしていて、そこからデビューした人も何人か知っている。
本日、ずっとジャンゴを支えていたチーフの吉田さんが亡くなった、と当時つきあいのあった知人から連絡があった。長髪とヒゲ、細身の体で昔ながらの音楽好き、という風貌の彼はジャンゴの常連さんにはとても評判が良かった。俺もとても世話になった。実に穏やかで人当たりがいい人だった。
最近はどうしてるのか全く知らなかったのだが、部屋で一人死んでいたところを、やはり俺が一緒に当時バイトしていた人が見つけた、ということだ。
時代は転がる石のように流れて行く。



