東北の旅から帰ってきました。今回は青森県の津軽地方だけでした。
写真を整理してからアップしたいと思います。
梅雨のない北海道に近く、雨にも会わずに旅を楽しんできました
山で物凄い風に出会いましたが、それは後の話です。
今回は旅に行く前の小諸の蕎麦の話です。

蕎麦の花とベニシジミ・・・
どちらも珍しい花や蝶ではないのですが、素敵な色合いでした。

陶芸の会の例会のある小諸市文化センターへの道・・・
自転車で通った道・・・
もっと広くて走りやすい道もあるのですが、こういう道好きなのです。
右は蕎麦畑・・・
この時期に珍しいなと・・・

道の反対側はこんな棚田風景・・・
蕎麦の花の咲いていた畑も数年前まではここと同じように、水を張った田圃でした。年配の御夫婦が稲刈りをしていたのを見たことが有ります。
昨年はもう稲作をしていませんでした。今年から蕎麦の栽培を始めたようです。

「信州そば」は、有名ですね。しかし、勝手に「信州そば」という名前は使えません。
「「信州そば」は、長野県信州そば協同組合の商標登録です。そういうと「信州そば」は全部が信州産の蕎麦粉を使った蕎麦そばだろうと思われそうですね。
考えたくなります。
商標登録には、信州そばの定義があります。それによりますと、信州産の蕎麦を40%以上使った蕎麦が「信州そば」だそうです。つまり40%信州産の蕎麦をつかえば、残りの6割を輸入品を使っても「信州そば」となります。
もっとも、小諸の蕎麦屋にも全て信州産でなければと、農家と契約して100%地元産の蕎麦粉を使用している店もあります。信州産と輸入品でそばの味がどのくらい違うか・・・
地域屋紀行、作り方などによっても違うそうです。

蕎麦の原産地は中国東北部からモンゴルのアムール川流域、チベット・ヒマラヤ説など諸説あります。いずれも涼しい山間部を好む花です。
蕎麦といえば、日本料理を代表する食べ物のひとつですね。
そして、蕎麦は日本で生産されていると、勘違いされている気配があります。
蕎麦文化は日本だけのものと・・・
実際には日本で使われる蕎麦の80%は輸入だそうです。日本向けに栽培しているのでなく、自国でも消費しています。
蕎麦を食料にして食べる国は多く、麺類に加工する国はヨーロッパの国には、フランス、イタリア、アジアでは中国、朝鮮半島、ブータン、ネパールなどがあるそうです、最も食べ方はそれぞれの文化で異なるそうです。

道を挟んだ浅間山側にも蕎麦畑が・・・・
昼夜の温度差の大きな高冷地の涼しい霧が発生しやすい土地を好みます。
戸隠と浅間山麓は霧の名所で、ここの蕎麦は「霧下そば」として有名です。といっても、軽井沢は霧の名所ですが。小諸は霧が巻くことはそう多くはないのですが・・・

浅間山をバックにした白い蕎麦の花は爽やかです。
蕎麦には夏蕎麦と秋蕎麦があります。
夏蕎麦は晩春に種をまいて夏収穫、秋蕎麦は夏にまいて秋に収穫します。
しかし、北海道や、長野県の高冷地では年一回の単作で夏蕎麦、秋蕎麦の区別はしていませんでした。このあたりでは、夏蕎麦は花が咲きますが、実が、ほとんどつかないと言われています。
でも、寝室改良や温暖化で夏蕎麦でも蕎麦が作れるようになったのかもしれません。

こちらにも蕎麦畑・・・
それぞれの持ち主は違うと思うのですが。近くに蕎麦粉を扱う穀物店があるので。その店の委託栽培かもしれません。
稲作と正反対の土地、それも痩せた土地でも、良く育ち、肥料もほとんど必要なく、短期間で育つため、米の収穫が困難な北国では主要穀物でした。
「蕎麦75日」という言葉があるそうです。蕎麦は種をまいて一週間ほどで芽がでて、1ヶ月で花が咲きます。そして、2〜3カ月で収穫になります。ほとんど手のかからない作物です。そうしたことからか、日本原産でない蕎麦なのですが、約一万年前の縄文遺跡から、蕎麦の花粉や種子が出土しているそうです。蕎麦は古い昔から、人々の生活の中に取り入れられていたようです。

ここは東小諸という地域ですが、ここに昔寺があったのかもしれません。
夏蕎麦と秋蕎麦があると新蕎麦も2回ありそうですが、新蕎麦は俳句の季語で秋だけのものです。
蕎麦は夏蕎麦より秋蕎麦のほうが、味、香り、色ともよいといわれます。特に、新蕎麦はもっとも美味しいと蕎麦です。新蕎麦が出ると、こちらの蕎麦屋では「新蕎麦」と書いた紙を店頭に貼るのも季節を告げる風物詩といえます。
ただ、新蕎麦が、一番おいしいかというと、現代の栽培技術や冷蔵保存技術の発達により、かつては「劣る、古い」という意味の陳蕎麦(ひねそば)のほうが、熟成していて美味しいいう人も多いようです。でも、新蕎麦の香りは素敵です。
蕎麦というのはというより、食物というものは、最後は、食べる人の好みによるものかもしれません。つまり口に合うかどうかで、これは十人十色なのかもしれません。
最近の蕎麦は。細く切れる技術を競うように素麺のようなそばが多くなりましたが、個人的には、余り太くても困りますが、ある程度の太さがあって噛み応えのある蕎麦が好きです。

オオハキリバチという蜜蜂の仲間の花蜂・・・
わりと大きな鉢ですが。刺激しなければ大人しい蜂で心配ありません。
蕎麦という「挽きたて、打ちたて、茹でたて」の三たてが一番といいますね。
昨日まで青森県の津軽地方を旅してきましたが、津軽には江戸時代から伝わる「津軽そば」、という蕎麦があります。
一般的な蕎麦が小麦粉をつなぎに使いますが、「津軽そば」は大豆をすりつぶした呉汁です。江戸時代は、北国は米の収穫が少なくその米もほとんど年貢米に撮られてしまいます。農民たちは米を食べることは少なく、そばを多く食べたようです。そしてタンパク質が豊富な大豆を入れたと言われます。
この蕎麦のもう一つの特長は「挽きたて、打ちたて、茹でたて」の正反対です。
栄養のある
を使うこと。藩政時代、収穫の少ない米は大事なでした。このため、庶民は普段からそばを食べる機会が多かったと言いますが、そばだけでは栄養がかたよってしまうので、使う独特の製法が生まれたのだそうです。
は完成までとても手間がかかります。蕎麦が気を作り、一昼夜水に浸しておいた大豆を丁寧にすりつぶした呉汁をそばがきと合わせて生地をつくります。その生地を半日ほどねかせ、熟成させてからそばを打ちます。つまり手間をかけてそばを作ります。そのそばを冷やして保存します。つまり、その都度、蕎麦を打つのでなく、日持ちを良くするために「煮置き」をするということです。毎日蕎麦を打つ手間を省いた生活の知恵です。
観光用の店ですと、余り普通のそばと違わない店もありますが。地元の人たちの多い店の「津軽そば」は腰がなく、挟んだだけで切れてしまいます。
これはこれで美味しいのですが、信州の蕎麦とは別物です。これももちろん津軽の文化を伝えるものです。

セイヨウミツバチも沢山いました。これは蕎麦にとって大切なことです。
蕎麦は自家受粉ができないため、ミツバチなどの虫達に手助けしてもらいます。ミツバチ花から花へとせっせと花粉を運んで蕎麦の実をつくる手伝いをしていました。・

蕎麦の花からできる蜂蜜は白い清楚な花のイメージとは違って、黒みのある茶色で、黒砂糖のような味と香りがするそうです。でもミネラルと鉄分が多く含まれて健康にはいいそうです。

ジャガイモの花もありました。
大分前にスーパーに新ジャガを見ました。
厳しい冬の長いこちらは、そのころに種芋を植えますので今が花盛り・・・
佐久地方の新ジャガの季節は7月です。

ここも蕎麦畑かと思ったら、ヒメジョオンの花に覆われた休耕地でした。
ここも蕎麦をうえればいいのにと・・・
それぞれに都合があるのでしょうね。