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烏帽子岳・夏山 (8月19日 浅間山 あぐりの湯より)
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ここでは、生き物たちや、自然、歴史など紹介していますが、、専門家ではなく、未熟な愛好家に過ぎません。一応は調べて、掲載していますが、六十の手習い・・・
もう70過ぎていますが、年寄のにわか勉強の結果に過ぎません。間違いがあるかと思います。誤りに気がつきましたら、ご指摘いただけると嬉しく、おおいに感謝です。その内容を記事に反映させたいと思います。
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2017年08月13日
夏水仙の花  「悲しい思い出」と「快い楽しさ」 
ナツズイセン(夏水仙  ヒガンバナ科ヒガンバナ属)
1

父母の亡き家に帰りてみつけたる ナツズイセンを告げる人なし  鳥海昭子


「告げる人なし」と両親を思う心をナツズイセンに込められています。
長い言葉を費やすよりも、気持ちが伝わってくる歌です。

この花の花言葉は「悲しい思い出」と「快い楽しさ」・・・
「悲しい思い出」は彼岸花と同じです。北原白秋 曼珠沙華を思い起こすような・・・
「快い楽しさ」は葉もないのにいきなり花が咲く驚き・・・

見方によって、重い葉色々なのかもしれませんね。
 

2
このところ天気が悪くて、浅間山を見ていないなと台風一過の日に浅間山麓を浅間山の良く見えるところに登って行ったのですが、田圃の畦に

自転車をほっぽりだして花のもとへ・・・

でも道の真ん中に止めてひどい止め方です。もっともここは農道・・・
滅多なことでは車は通りませんし、来たら、どければいいだけですが・・・

ナツズイセンは、早春に幅3 cm、長さ30〜50cmの細長い葉を出します。しかし梅雨時の6月下旬に葉はすべて枯れてしまいます。「夏水仙」の名はこの細長い葉が水仙に夏に花が咲くことからつけられたようです。ヒガンバナ科の植物でヒガンバナやキツネノカミソリの仲間ですので、花は似ていませんが・・・

花が咲かないうちに葉が枯れてしまうのですが、真夏になると花茎を長く伸びてきてこのように大きなピンクの花を咲かせます。
葉がないのに花が咲くので「裸百合(ハダカユリ)」の別名があります。また、葉が亡くなって忘れた頃に突然花が咲くため「ワスレグサ(忘れ草)」と呼ぶ地方もあるようです。英語の「マジックリリー」も同じ理由のようです。

こちらはナツズイセンではあちこちで見かけますが。彼岸花はほとんど見かけないのは冬に葉があるために冬を越せなかったことによるようです。もっとも最近は温暖化のせいか冬の寒さの厳しさは昔と比べる格段に暖かくなっていて、彼岸花も見かけるようになってきました。

3
ナツズイセンには「傾城花(けいせいばな)」という名前もあるそうです。
日本では傾城というと○○太夫などと呼ばれた最高位の遊女と思われがちですが。この言葉が生まれた中国では「一顧傾人城,再顧傾人国」として王の寵愛を受けて国 (城) を傾けてしまうほどの美女のことだそうです。芭蕉の「奥の細道」に『 象潟や 雨に西施が ねぶの花』と呼んでいますが、ここに登場する西施(せいし)は中国古代四大美女のひとりで、傾城の美女だそうです。

6
このナツズイセンは明るいピンクで明るさを感じさせていますが、こちらでは青味の濃い花が多いようです。

こうした明るい場所だとあまり感じませんが、ヒガンバナの仲間は葉もなく、いきなり地面からニュッと突き出して咲く、変わり者たちです。そのためか、薄気味悪く感じられるのか、墓地などに多く植えられています。

薄暗い墓地などで見ると、紅紫色の君はなんととなく不気味に見えてきます。きれいな花なのですが、もう一つ人気なく庭で見かけるのはめったにないですね。

江戸時代の植物学者、貝原益軒は「花譜」(1698年)の中で「鉄色箭(なつすいせん)」として「花あるとき、葉なし。花尤下品なり」と紹介している。薄いピンク花には色香とともに気品も漂うが、益軒には品がない花に見えたようだ。

7
鳥海昭子さんの歌ではないですが、ナツズイセンは父の生れた家の前の畑に咲いていました。父の家は、伯父夫妻は亡くなり、子供たちは家を離れ、もう10年以上誰も住んでいません。昔は人の気配があった家は、締め切られ、人の気配もないのは寂しいことでした。

家の前の畑の片隅に、ひっそりとナツズイセンが咲いているのが人待ち顔で寂しさを感じさていました。先月墓参りで訪れて見ると、手入れが大変と見えて、親類が家や前の畑は除草剤を蒔いたようで、枯野原・・・
ナツズイセンもなく、もっと寂しげでした。草ぼうぼうも問題ですが・・・
いですね。

8
江戸時代の植物学者、儒学者として『養生訓』の著者として、知られる貝原益軒(かいばら えきけん)は「朝早く起きるは、 家の栄えるしるしなり。遅く起きるは、 家の衰える基なり。」といっています。毎朝、妻に「朝ですよ」と起こされているオコジョには耳の痛い言葉を残しています。頚椎症で、疲れやすく、妻より早く寝て、妻より遅く起きるのは健康のため」・・・
そんなことを言うと益軒から「言語を慎んで無用の言葉をはぶき言葉数を少なくしなさい。喋れば喋るほど、 気を減らし、また気が高ぶる。大きく元気を損なってしまう。言語をつつしむ事も徳を養い、 身を養う道である。」と反撃されそうです。

貝原益軒は花の咲く花だけを集めて紹介した貝原益軒の『花譜』(元禄七年(1698年))という本の中で、「鉄色箭(なつすいせん)」という項目に「花あるとき、葉なし。花尤下品なり」と下品な花として気に入らなかったようです。人それぞれですが、見方によってはそんな雰囲気のある花なのかもしれません。

9
ヒガンバナと同じように古い時代に中国から日本に来たといわれています。



ヒガンバナとナツズイセンは有毒植物で、球根にはアルカロイド系の神経毒物質が含まれて、食べると呼吸困難で命の危険性があります。しかし江戸時代には飢饉時の食料立ったそうです。

人はこの球根を古くから食料として食べていました。そんな猛毒なものを食べて大丈夫なのかと・・・

ヒガンバナとナツズイセンの毒は水に溶けるそうです。根気強くも何度も水で晒すと良質な澱粉となるそうです。
縄文時代には、人はそのままでは食べられないどんぐりや山菜をあくぬきして主食の一つとしていました。そうした知恵を誰が考えたか不思議ですね。そうしたことができたから、人類の今があるのかもしれません。

ただ、ヒガンバナとナツズイセンは日常的に食べませんでしたが、飢饉のときの緊急食料として蓄えていたようです、それによって命を長らえた人も多かったのかもしれません。

そんな歴史を秘めているようですが・・・
今は「快い楽しさ」であってほしいですね。

[ 投稿者:オコジョ at 08:13 | 花 植物 | コメント(0) ]

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