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2018年04月27日
盆栽社会だともいえそ

  いい湯だな。ハハハッハ」で、一億みんなが頭に手拭いをのせて、うかれている感じでしたね。 世界中どこに行っそんな国はありても、ません。


  日本は経済大国だといわれて、初めは信じなかったけれども、何度もいわれているうちに、その気になってしまったんじゃないでしょうか。


  日本にあるのは、大八洲《おおやしま》。八つの島だけなんです。土地が高いといっても、それは国内だけのことで、そこから金が出るわけじゃなし、土を缶に詰めて、輸出をするわけにもいかないでしょう。


  あるのは、日本人の頭脳と、勤勉さと、バイタリティ、これだけなんですね。だからこそ、日本人は、付加価値の高い精密機械などの輸出に、活路を見つけたのじゃありませんか。


  たしかにこれまでは、カメラ、エレクトロニクス、テープレコーダー、カラーテレビ、造船、自動車……と、経済成長の過程でパイロットの役目を果たす“目玉商品”が、次々に出て来ました。ところがいまは、一つもないんです。円はどんどん下がる一方ですしね。


  日本列島の中に、二千年来一つの人種が住んでいて、同じ言葉を喋っていれば、いい加減、仲良くもなります。それだけに、国際的な免疫性がない。物をつくれば売れるものだ、賃金は毎年上がるものだ、といった考え方では、絶対に世界で太刀打ちできません。


  小さな釣り堀の中に、エサが入ってこなくなったらどうなるのか。結論は見えています。そんな“ジャイアント”は、ないんですよ。私は日本人がもう一度、戦後の焼け野原に戻ったつもりになって、ガシンショウタン(臥薪嘗胆)に徹しないと、えらいことになると思うんですが。


  ゴチョウ氏は、七年ほど前、本社に呼び戻されて、国内担当常務のポストについたが、二年あまりいてヤシカを去った。そして、古巣のニューヨークで、自力による旗揚げをしたのである。退社のわけを、彼は語りたがらない。ただ、こういう話はきかせてくれた。


  友人とよく話すんですが、日本社会は虚構の世界なんですね。歌舞伎の女形は、男だと思ってはいけない。黒子《くろこ》がいても、それを見てはいけない。定められたルールに従って、虚構を楽しんでいるんです。


  見ちゃいけないんだ、喋ってはいけないんだ、ということに慣れてしまって、インビジブルな(見えない)手でがんじがらめにされていることに、お互い気がつかないんじゃないでしょうか。


  別の言い方をすれば、盆栽社会だともいえそうです。人間がギリギリにしばられて、型にはめられている。主人の意思からはみ出して伸びたら、すぐに切られるんですね。


  資本主義の世界は、ユダヤ人の「目には目を。歯には歯を」じゃないけど、割り切って行かないと大変に難しい。日本の企業の大家族主義というのも、語弊《ごへい》はあるけど、独占資本主義の段階に全体が達していないあらわれだと思うんです。


  ニューヨークでの挨拶は、「ウワッ、ヌー(何か面白いことないかね)」である。ここの社会は停滞を許さない。ポルノ映画だって、まずやって見て、つまらなければ、忘れ去る。絵画にしても、舞踊にしても、音楽にしても、世界における新しい動きの中心はいまやニューヨークである。


  先人がやったことを打破しないかぎり、ここでは生きられない。


  私の眼にも日本の大企業というのは、幕藩体制がかたまったのちの雄藩のように映る。装いを近代企業に改めはしたが、この百年、日本社会を成り立たせている精神構造は、少しもかわっていないのではないか——。


[ 投稿者:手裏撐著雨傘 at 17:39 | 健康 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

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