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2018年03月26日
き前进を希求する

  大西中将は、高雄につくとすぐ「豊田大将はどこかね?」と讯ねた。「新竹であります」と门司大尉が答えると「すぐにゆこう」とい った


  高雄から新竹まで飞んだ。


  新竹に着くとすぐ、连合舰队司令部に豊田副武大将をたずねた。大西と豊田は一室に闭じこもって余人を避け、二人だけで永い间话しこんでいる。このときの会谈の内容は、ついになにびとにも知らされていない。


  推论によれば、大西は�特攻机出撃�の必要を豊田に説いたというのだが、私はむしろ东京の海军军令部の�特攻使用�の意向を伝えたのではないかと思う。いや、それ以上に、アメリカ统合参谋本部の「比岛攻略」决定が日本の戦力におよぼす影响について话しあい、比岛で死闘を展开することによって、当时ひそかに进められていた「和平工作」の成果を待とうと、そこまで话はいっていたのではないかと思われる。


  「特攻発进」は当时の「机あれど机なし」という戦况の下で、现地の第一线将兵の间から澎湃《ほうはい》として起った思想である。「国败れてなんの海军ぞ」という思想もまた、「一机一舰」の戦果を集积しようという戦术の基盘になっていたであろう。それはそれとして事実である。


  水平爆撃か特攻か[#「水平爆撃か特攻か」はゴシック体]


  しかし、ここで区别しなければならないのは、特攻を主张し、これを敢行したのは「现地部队」であるが、特攻を採用したのは「政治」であるということだ。


  大西と豊田の会谈が「特攻」に触れているとすれば、それは政治的効果にまで言及したにちがいないと、私は思う。


  大西は、このあと、第二航空舰队司令长官の福留繁中将にあって、またもや二人きりで、数时间も话しあっている。このときの内容は、福留中将によって、あきらかにされている。


  それによると、


  ——大西君と私は海兵の同期であったし、腹蔵なく话しあえた。大西君は一航舰の司令长官として�特攻�をきめたあとなので、私の二航舰からも�特攻�を出せと、しきりにすすめた。私のところは飞行机もあり、戦爆连合を组むことも可能だったので、「特攻」をことわり、水平爆撃で攻撃をかけると主张した。それでも大西君は、なかなか「そうか」といわなかった。いまが「特攻発进の时期だ」と强调してやまなかった……。


  结局、二航舰からも�特攻�が出るのだが、これは福留のいう戦爆连合による水平爆撃がたいした戦果を挙げなかったのを见て、大西が「それみろ、だから�特攻�を出せというのだ」と、つよくすすめたのが动机となっている。いや、そういうふうに福留中将は回想している。


  「水平爆撃」か「特攻」かという问题提起をすると、まさに大西中将は�暴将�の札をひくことになるのだ。しかし、「水平爆撃」が戦术であり、「特攻」が政治であるという视点から见直すと、大西像はもうすこしちがったものになるだろう。


  大西像はとにかくとして、「特攻」は�政治�であったから、まさにそれだから、海军飞行予备学生は「お母さん、これは犭死ではありません」と遗书に书けたのだ。彼らは、「特攻」の中心にある�政治性�を、死に直面した人间の透明な眼で洞察している。その洞察が正しければ正しいほど、若い生命のいかばかり憾《うら》み多かりしかと、それがあわれでならぬ。


  海军少尉・安达卓也が书いている。安达少尉は、昭和二十年四月十叁日、冲縄をとりまく米舰队の真只中に突入していった。


  「『あとに続くを信ず』とは、単に死を决して戦う者の続くことを信ずるのではなくして、特攻队の犠牲において、祖国のよりよき前进を希求するものにほかならない。たとえ明哲な手腕の所有者ならずとも、いかなる悲境にも泰然として揺がず、しかも身を鸿毛《こうもう》の軽きに比して、洁癖な道义の上にのみ生き得る大人物の出现こそ、真に国を救うものだ。いかに特攻队が続々と出现しても、中核をなす政府が空虚な存在となっては、亡国の运命は、晩《おそ》かれ早かれ到来するであろう」(「あゝ、同期の桜」より)


[ 投稿者:手裏撐著雨傘 at 18:28 | 健康 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

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