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2018年03月22日
いる会社があると
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  彼の、もうひとつの特性は“人心収攬”のうまさである。「田中秘書団」というのがある。あえてこれが話題になるのは、まず二十人という頭数、つぎに役割分担の機能、三に情報収集の速さ、である。


  田中派(越山会および財政調査会)の歳入は三億五千八百七十万円であるが、このうち人件費に千二十八万円が使われている(昭和四十四年度分・自治省調べ)。おもしろいことに、歳入の規模からみると田中派は、佐藤・福田・前尾につづいて四番目の規模だが、上位三位が明記していない「人件費」をはっきりと出している。これは、やはり“二十人”という頭数によるものであろう。


  こんな話がある。共産党の加藤進議員が、信濃川の河川敷の利権でうまい汁を吸っている会社があると摘発、その会社に田中角栄の秘書が監査役として名を連ねているという材料を、国会で質問することになった。ところが、その質問当日、加藤議員は会社の登記書を取りよせて、唖然とした。問題の秘書は、その前日に監査役を辞任し、名前が消えていたのである。これは、偶然のタイミングなのか、田中秘書団の情報網によるものか、いまだにわからない。しかし、それにしても、「田中秘書団の情報網はクモの巣のようで、その真ん中にいるのが角栄グモだ」という声を立たせたことは事実である。


  とにかく、これだけの人数を集め、それぞれに役割をあたえているのだから、田中角栄には「人をひきつけるなにか《ヽヽヽ》がある」と思われている。


  たとえば、同盟通信からきた早坂茂三だ。彼は麓《ふもと》秘書とともに、田中の“飛車・角行”といわれている。田中の「沖縄放言」というのがあった。昭和三十六年、ロバート・ケネディが来日して、中曾根康弘・江崎真澄・石田博英・宮沢喜一、それに政調会長の田中角栄が会見した。席上、田中は「私見であるが」とことわって「米軍基地の機能をそこなわずに沖縄を復帰させるためには、日本の憲法を改正して、核つき返還を考えざるをえまいが、どうであろう」と発言した。会見は非公式であったが、田中の発言は新聞にスッパぬかれた。野党はその責任を追及し、国会の審議はストップした。田中は、二、三日、蒲団《ふとん》をかぶって寝こんでしまった。この問題の発言を強引に書いたのが早坂だという。田中は、その後、早坂に「おれが記者だったら、やはり書くよ。あれは書くべきことだ。それにしても君は優秀だな」と語ったそうだ。たいていの政治家なら、新聞社の幹部に怒鳴り込みにゆくか、書いた記者を忌避するか、その両方をする者さえいるものだ。ところが、田中は率直にみとめている。


  早坂は、田中のそういうところに惹《ひ》かれて、秘書になったという説がある。


[ 投稿者:手裏撐著雨傘 at 18:14 | 健康 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

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