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2018年06月06日
思ったよりも

「ここだ」と言って、じいちゃんはさっさと店の中に入って行く。

またも裕太は、置いて行かれないようにと、あわててついて行く。

すると、入り口の所で、タライを前にして、エプロンをつけた男の人が、

何やら自転車を直しているのが、目に入った。

こちらに気付かずに、タイヤに触れているのも気にせずに、じいちゃんが

「こんにちは」と言うと、

ようやく男は顔を上げて、

「いらっしゃい」と言う。

その顏が、思いのほか若かったので、裕太はまたもや驚いてしまう。

裕太の驚いた顔など、全く意に介さない様子で、その男は

首にかけたタオルで手をふくと、まっすぐにじいちゃんに近付いた。



「今日は、どういったご用件で?」

先ほどの険しい顔がウソのように、にこやかに話しかけてくる。

そういう顔をすると、思ったよりも優しそうな好青年に見えた。

じいちゃんは、裕太の背中をぐいっと押すと、

「これがうちの孫。

 自転車を買いにきたんだ」と言う。

「へぇ〜」

男は珍しいものを見るように、裕太を見ると、

「こんな大きなお孫さんが?」と聞き、

「遊びに来たんですか?」と続ける。

じいちゃんはポン、と裕太の頭に手をやると、

「いや、越してきたんだが、どうやら自転車がないそうなんだ]

裕太の顏を見ると、笑いながら言った。
[ 投稿者:追憶 at 17:00 | 追憶 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

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