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別のblogとか

2016年03月04日
AD00031がiPhoneの電波を拾う件
前回の続き。

オーディオマニアの間では、オペアンプを交換することがよく行われている。AD00031でも、自己責任ではあるがオペアンプを交換することができる。キットに付属するものはNJM4580DDであるが、これをLME49860に差し替えてみたところ、通勤中に事件は起きた。


以前にChuMoyアンプを使っていた時も似たようなノイズが聞こえたことがあるが、いかんせん今回は大きいため非常に耳に悪い。サーという熱雑音ならまだしも、ビーとかガーとかいうデジタル変調系のノイズなので非常に耳障りである。
後で調べたところ、専門用語では「アンプI」(アンプ妨害)と呼ばれる電波障害(ESI)の一種だそうで、場合によってはラジオが聞こえる場合があるそうである。

LME49860だとノイズが大きかったが、NJM4580だとそれほど大きくなかったのでどうやらESIノイズを拾いやすいアンプと拾いにくいアンプがあるようである。また、アンプにiPhoneを近づけると(他のデジタル機器でもおそらく発生する)ノイズが大きくなり、接触する場所によって大きくなったり小さくなったりした。
このノイズについて調べるためにオシロスコープを使うのだが、そのままではプローブが当たらないので以前自作した中継台を使用した。

なお、特にiPhoneをケースに固定するなどといった措置を取っていないので目安である。

NJM4580……キットに付属するオペアンプ
NJM4580の妨害波形

LME49860……著しく電磁妨害を受けやすく、今回問題になった。
LME49860の妨害波形

LME49720……前述のLME49720と同じファミリーで、妨害波形の振幅がが100mV以上を観測したこともあった。
LME49720の妨害波形

NJM5532
NJM5532の妨害波形

NJM2114……前述のNJM5532と同じファミリーだが、こちらは電磁ノイズがおとなしい。
NJM2114の妨害波形

LM358……なかなか観測できなかったのだが、ノイズが出るときは出る。そもそもオーディオには向いていないが。
LM358の妨害波形

OPA2134……電磁妨害ノイズが聞こえるのは聞こえるが、トリガがかからずオシロには何も映らなかった。

MUSES8820……実際には電源電圧が足りず動作が保証されないため、参考情報。
MUSES8820の妨害波形

MUSES8920……これも電圧が足りないため使えない。一番ノイズが大きかった時の記録。
MUSES8920の妨害波形

このように、品種によってアンプIが起きやすいものと起きにくいものがある。

ここで、パラメータを見てみよう。
品種
メーカー
電圧利得
[dB]
同相除去比
[dB]
GB積
[MHz]
ノイズ振幅
[mV]
NJM4580
新日本無線
110
110
15
4
NJM5532
新日本無線
100
100
10
11
NJM2114
新日本無線
110
100
13
5
LM358
ナショナルセミコンダクタ
100
85

5
LME49720
テキサスインスツルメンツ
140
120
55
73
LME49860
テキサスインスツルメンツ
140
120
55
約30
OPA2134
バーブラウン
120
100
8
観測不能
LM4562
テキサスインスツルメンツ
140
120
55
未計測
NJM4556A
新日本無線
100
90
8
未計測
MUSES8820
新日本無線
110
110
11
11
MUSES8920
新日本無線
130
110
11
36

表を見ると、ノイズが大きかったLME49720とLME49860の裸利得が140dBと大きい事がわかった。

ところで、このような外来ノイズはコモンモードで入るものである。今回のケースでも、オペアンプの差動入力に同相ノイズが入ったのであろう。
Wikipediaの「同相信号除去比」の項目によれば、同相信号除去比の定義は次のとおりである。
CMRR=20log10(Ad|Acm|)CMRR = 20 log _{10} left ( {A _{d}} over { lline A _{cm} rline } right )
但し、Ad差動ノーマルモード利得、Acm同相コモンモード利得である。この式は次のように変形できる。
20log10|Acm|=20log10AdCMRR20 log_{10} lline A_{cm} rline = 20 log_{10} A_{d} - {CMRR}

計算上、LME49720とLME49860は同相ゲインが20dBあることになる。

ここで、シミュレーションしてみた。シミュレーターで使用できるオペアンプのモデルは限られているので次の5つのみ。2.4GHzは矩形波。
品種
バイアス
直流
同相利得
[dB]
2.4GHz
オン時振幅
[dB]
2.4GHz
ノイズ振幅
[dB]
差動利得
[dB]
スルー
レート
[V/μs]
実際の
ノイズ
NJM4580
1.422 V
-82.5
-98.3
-94.7
110
5

NJM4556A
-1.397 V
-61.6
-86.2
-78.9
100
3

LM358
-880.2 mV
-2.7
-52.1
-52.0
100
0.3

LME49710
1.135 μV
-72.1
-98.4
-76.9
140
20

OPA2134
1.304 V
-0.8
-60.0
-59.9
120
20



スルーレートが関わっているかと思われるが、これだけではLME49710とスルーレートが同じはずのOPA2134でよりノイズが小さいのか説明がつかない。更に、このシミュレーションではLME49710のほうがノイズ振幅が小さいはずなのに、実際のLME49720(LME49710の2回路版)では振幅が大きくなっている。やはり差動利得に関係があるのだろうか……?

[ 投稿者:芙蓉美晴 (MihailJP) at 22:30 | 電子工作 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

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