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別のblogとか

2015年05月16日
ソビエトロシアでは、関数電卓があなたで計算する!
Elektronika MK61 外箱旧ソ連の関数電卓(デッドストック)が届いた。デッドストックなので外箱もそのまま付いている。当然、パッケージに書かれている文言は全てロシア語である。
ただし、このロットはソ連崩壊後に生産されたものだそうである。

Elektronika MK61 内容物内容は本体、ケース(柔らかい)、説明書(当然ロシア語で書かれている)、ACアダプタ(旧ソ連の規格品でタイプCに近い形状、入力定格220V・50Hz。日本で使うには別途アダプタが必要。ちなみに日本のはタイプAと呼ばれている)。
さらに説明書の中には回路図が挟まっていた。もちろん、Arduinoのような「オープンソースハードウェア」とは事情が異なる。旧ソ連においては、特許などというものは「腐敗したブルジョア共の概念」であり、共産主義とは相容れないものとされていたからだ。

Elektronika MK61 電池ボックス電池は単3を3本使う。ちなみにこの電池はダイソーのもので届いた時に既についていたもの。

Elektronika MK61 内容物銘板には「Изготовлен 94 01」と書かれている(изготовленとはmanufacturedの意味)。ソ連崩壊は1991年12月だったので、それ以降のものであると読み取れる。使用電圧・電力はそれぞれ4.5V 0.6Wと書かれている。
さらに「定価85ルーブル」との刻印まであるところが共産主義国らしい。西側の電卓にこのような刻印はまず無い。西側(の一般工業製品)では定価とはあくまで「希望小売価格」であって、様々な理由で値引きされたりすることがある。東側はそうではない。ちなみにソ連時代の物価は「黒パンが16カペイカ」「食堂での昼食が1ルーブル」「ストリチナヤ(ウォッカ)が7.20ルーブル」「モスクワからクラスノヤルスクまでの飛行機代が68ルーブル」だったそうである。(ロシア語の外部リンク
なお、同時期の西側の関数電卓として、米国ではかのHP 15cが定価135ドルで発売されている。(英語の外部リンク

Elektronika MK61ボタンの数が少ないこともあり、「2乗」「平方根」などのよく使う機能も裏に来てしまっている。電源はキーボード左上のスライドスイッチを「Вкл」(オン)に入れると点く(専門用語では回路を「閉じる」(クローズ)というが、そこから来ている)。右のスライドスイッチは角度の単位を指定するもので、左からラジアン、グラード(直角を100とする単位)、度である。
もちろんキーの表示もロシア語になっていて、指数入力に使うキーは「ВП」と書かれている。一部の関数はロシアにおいて若干異なり、tanではなく「tg」と書かれている。「lg」は log₁₀ のことである。「СЧ」は乱数(случайное число)を発生させる。
HPの電卓のように逆ポーランド式で入力する。HP製品と同様、4段スタックである。「Enter」キーに当たるものは「В↑」キーである。
よく見るとボタンの色にばらつきがある。それと、本体を振るとカシャカシャ音がする。これは東側の製品である。間違っても日本製品のような品質を期待してはいけない。

Elektronika MK61 電源を入れたところ電源をいれると、左詰めで「0.」と表示される。12桁蛍光表示で、仮数部の符号1桁・仮数部の絶対値8桁・指数部の符号1桁・指数部の絶対値2桁という構成となっている。HPの関数電卓でも左詰め表示されていたのでそんなに特殊なものではない。しかしiPhoneの関数電卓(横向けにすると関数電卓になる。算式入力)は右詰め表示だし、カシオの昔の機種(10年ほど前に買ったもので数式通り入力)も右詰めだった。RPN電卓では左詰めが普通なのだろうか……?
でもVFDはもともと西側(日本)の技術だったはずだが……

Elektronika MK61 tan(355/226)を計算させたところ東側の関数電卓なので、精度はお察し。tan(355/226)を計算させると、なんと -10000000 と出てくる。全く正しくない。しかもこれの計算に1秒ほどかかる。西側と違って競争がなかったからだろうか。西側の場合、電卓メーカーだけでも米国にはHPやTIがあり、日本にはカシオやシャープ、キヤノンがある。競争があることによって、技術が進歩した。

Elektronika MK61 電源を入れたところ参考までに、私が持っているずっと新しい機種(HP35s)と比較した写真を掲載する。これは、sin(π/3)を計算させたところであるが、MK61では誤差が出ている。

Elektronika MK61 16進数この機種は16進数の計算もできるが、bitwise operatorしか使えないようである。加減乗除すると、結果がおかしくなる。16進表記の識別記号(8.)に1桁取られるので、16進数は7桁しか使えない。しかも現在ではA〜Fのアルファベットで表記するところが「-」「L」「С」「Г」「Е」「空白」となっている。CとEしか合っていない。しかもややこしいことに空白が含まれている。内部ではBCDを使っているようである。

もう一つ、この機種はプログラム電卓なのだが、電源を切るとプログラムも消えるのである。同じソ連製でもМК-52では保存できたそうだが。

というより、突っ込みどころ満載なので書くのに疲れる。ソビエトロシアでは、関数電卓があなたで計算するのである。

[ 投稿者:芙蓉美晴 (MihailJP) at 12:28 | 電卓 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2015年05月12日
昔の電卓
Canon Canola 1201先日ヤフオクで落札した電卓が届いた。

これはキヤノン製の電卓で、機種名は Canola 1201 である。「1桁1万円」と言われたCanola 1200シリーズの機種で1970年に発売されたそうだ(外部リンク参照)。1970年といえば、千里丘陵で万博が開催された年である。今でこそ1000円程度でそれなりのものが買えるが、当時電卓とは数十万円するものだったそうである。

Canon Canola 1201 powered on電源をいれると「0」と表示……されないのである。だがこれは故障ではないので安心していただきたい。ソーラー電池しか使えない電卓を暗い所に持っていったあと、明るい所に戻ると表示が壊れていることがある。それと同じく、「C」を押すとご破算して計算を始められる状態になる。
なおカシオの電卓ではクリアキーが赤くなっていることがあるが、キヤノンの電卓だと黄色になっている。

「000000000000」と表示している様子クリアキーを押すと計算を始められるが、この時「0」ではなく「000000000000」と表示される。昔はこのようにゼロサプレスされない(ゼロパディングされる)機種が多く見られた。

この機種は昔の事務用電卓で主流だった加算器式で入力する。ただ、この機種では他社で「+=」「-=」となるところがそれぞれ黒の「=」、赤の「=」となっている(他社の加算器電卓では「-=」キーが赤くなっている機種がよくある)。

キャノーラ1201は初期の電卓なので今と比較してかなり大型で、最近の電卓には当たり前に搭載されているような機能がない。浮動小数点計算ができない。小数点以下は0桁か、2桁か、4桁しか選べない、固定小数点機である。小数点以下の桁数はキーボード左上のスライドスイッチで選ぶ。ただ、あのカシオミニでさえ初期のモデルは整数専用機だったのである。
なお、この個体はどうも小数点キーの調子が悪いようで誤動作したり全く反応しなかったりする。先ほど確認したら正しく作動することもあった。
ちなみに小数点以下の桁数を0にして20÷3を計算すると6と表示された。どうやら指定の桁数未満は切り捨てる設計のようだ。そのほうが計算(回路)の手間が省けるのだろう。

ルート(開平)キーがないどころか、%キーもない。さらにこの機種にはバックスペースキー(→)もない。訂正するときは「CI」キー(シャープの「CE」キーに相当)を押して、やりなおし。
加算器式電卓にはよく搭載されているアイテムカウント機能も、この機種には無い。

小数点以下5桁目はアウトオーバーフロー(12桁以上の電卓の場合、計算結果が1兆以上)すると、最近の電卓では殆どの機種で概算表示されるが、この機種ではそれがなく、下12桁が表示され、オーバーフローを示す「←」が表示される。
ほかにも、小数点以下を4桁にした状態で「3.14159」と打つとオーバーフローしたことになる。後の電卓、例えばシャープのCS-2122L(手元にある蛍光表示の加算器電卓)だと「3.14159265358」まで入力でき、「+=」キーを押した時に初めて指定の桁数に丸められる。
さらに言えば、小数点以下を2桁にした状態で 9,999,999,999 + 1 を計算すると、CS-2122Lだと「10,000,000,000.0」と小数点以下の桁数を落として表示されるのに対し、Canola 1201だと「←0000000000.00」とオーバーフローする

メモリー機能は、今でいう「GT」に相当するもののみがある。「AM」キーがオルタネートスイッチ(押すと引っ込んだ状態で止まり、もう一度押すと元に戻る)になっており、計算したあと、「RM」キーを押すと(これは今の電卓でいう「MR」や「RM」ではなく、「GT」相当)総計が表示される。「C」を押すと、この中身もクリアされる。

定数計算機能は、乗除算でのみ使用可能。ほかの多くの機種と同じく、掛け算は被乗数、割り算では除数が定数となる。「K」キーがオルタネートスイッチになっているので、これをONにすると使える。
割り算の定数計算は普通の順番に入力する。(CASIO FN-20だと定数除算は序数を先に入力しなければならず混乱する)

今の電卓では当たり前だが Canola 1201 にない機能として、負数の表示がある。普通の電卓で 2 - 4 (加算式電卓なので「2」「+=」「4」「-=」と操作する)と「-2」と表示されるが、この機種では「999999999998」と補数で表示される。ただし内部では正しく負数として計算されているようで、この状態から「2」「黒=」と操作するとオーバーフローしていない「000000000000」となる。負の方向へのオーバーフローは「999999999999」「赤=」「2」「赤=」と操作すると発生する(「1」「赤=」だと「000000000000」となり、オーバーフローしない。現代のコンピューターでも2の補数式の符号付き整数だとプラス側とマイナス側で1だけ不均衡(符号ビットが1(負)で残りが0の数)である。)。

変な位置の小数点が点灯もうひとつ忘れていたが、ゼロ除算エラーはどう表示するのか。普通の電卓なら「0.E」とか「E 0.」のような表示になるが、Canola 1201だと、「000000000000」のままで、小数点だけ消えてしまった。さらにこの状態で数字キーを押すと「0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.」と、すべての桁の小数点が点灯してしまった。こういう場合挙動がおかしくなるので「C」キーを押したほうが良い。

置き場所はちょっと困ったのだが、シャープのCS-2122Lと並べてPC机の上に置くことにした。

蛇足。
局留めで送ってもらったこの電卓、郵便局に取りに行ったら傘をパクられた。
[ 投稿者:芙蓉美晴 (MihailJP) at 22:31 | 電卓 | コメント(0) | トラックバック(0) ]