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2017年01月22日
イリオモテヤマネコの生活
この項目では、イリオモテヤマネコの

生息場所
行動パターン
食事メニュー
繁殖
寿命

について解説します。


★生息場所★

イリオモテヤマネコは、沖縄県の西表島にしか生息していません。
西表島は山地の占める割合が多いのですが、(参照→西表島について)イリオモテヤマネコは主に標高200メートル以下の海岸近くの地域(マングローブなどの湿地林、シイやカシの林、河川や沢沿い)に生息しています。
これらの地域にはイリオモテヤマネコの餌動物となる生物が多く分布しています。

西表島全体の面積は約290平方キロメートル、沖縄では本島に次ぎ大きい島ですが、標高200メートル以下の地域は島全面積の約55%、160平方キロメートルしかありません。
低地は開発が進んでおり、イリオモテヤマネコの生息できる地域はせばまる傾向にあります。
水田や畑にはヌマガエル、それを補食するヘビなどヤマネコが好む小動物が多いのでそれらも餌にしているようですが、山麓の巣から餌場への往復のためには道路を横切らなければならないため、交通事故に遭うヤマネコが毎年何匹も出ています。

特に、2013年に石垣島の空港が新しくなってから観光客が増えたためか、交通事故は増加傾向にあります。
2016年は、過去最悪の7件の交通事故が起きています。交通事故がイリオモテヤマネコにとっての一番の深刻な問題と言っていいでしょう。

低地部の生息密度は、高いところでも1平方キロあたり1頭、平均は0.6頭/1平方キロと推定されています。
現在の島全体の推定生息頭数は99〜110頭となっています。


★行動パターン★

イリオモテヤマネコは”半夜行性”で、主に夕方から夜、夜明けから早朝にかけて活発に活動していますが、昼や真夜中にも活動することがあるようです。
行動時間帯は季節によって微妙に変化しており、夏はより夜間へ、冬はより昼間へと移行しており、また夏よりも冬のほうが長時間、広い範囲にわたって行動しているようです。
これはヤマネコが冬期に発情期を迎えているせいではないかと考えられています。
また気温や天気、餌となる動物の活動時間などによってヤマネコの行動時間は変わってくるようです。

イリオモテヤマネコはいくつもの違った環境を含む行動圏を持っており、その中を餌を探しながら移動しています。特に決まったねぐらを持たず、疲れた時に樹洞(木に空いた穴)や岩穴などで随時睡眠を取っているようです。

イリオモテヤマネコはほとんどのネコ科動物と同じく、基本的に単独行動をしていますが、発情期だけはオスとメスが一緒に行動します。
また生まれて2〜3年の子供は母親の行動圏にとどまっており、母親が子供に狩りの仕方を教えることもあります。
その後オスの子供は母親の行動圏から離れ、先住のオスがいない場所を見つけた場合はそこに定住します。メスの子供は成長しても母親のそばで生活しているようです。

行動圏(いわゆるなわばり)はオスは2〜3平方キロメートル、メスが1平方キロメートル程度で、オス同士では行動圏の重複はほとんどありませんが、メス同士では行動圏が重なることがあります。
オスは行動圏を持つ定住型と、それを持たない移動型がいますが、一般に力の強いオスが定住型になるようです。

なわばりを示す方法としては、糞を目立つところにしたり、尿を木や岩などにかけて”マーキング”をすることによって行っているようです。
自分のなわばり内に目新しいもの(人間が持ち込んだカメラの三脚やブラインドなど)があるとそれにもマーキングをするようです。
イリオモテヤマネコの尿には肛門腺からの分泌物が入っており、独特の非常に強いにおいがします。



★食事メニュー★

イリオモテヤマネコは西表島の生態系の頂点であり、多様な動物を餌としています。
糞の内容などを分析した結果、主に以下の動物が補食されていることがわかっています。
(この他にも多種類の動物が補食されているようです)

ほ乳類 クマネズミ、ヤエヤマオオコウモリ、リュウキュウイノシシ(子供)
鳥類 シロハラクイナ、オオクイナ
は虫類、両生類 キシノウエトカゲ(天然記念物)、イシガキトカゲ、サキシマキノボリトカゲ、オオハナサキガエル、ヌマガエル
昆虫類 マダラコオロギ
甲殻類 テナガエビ類

年間を通して補食されることが多いのは鳥類、クマネズミなどですが、季節によって餌の内容は変わります。
イリオモテヤマネコは水を嫌がらず、頻度は低いようですが水中で餌を確保することもあるようです。また、補食している鳥類は主に地上で生活しているものが多いので、樹上での狩りはあまり行ってはいないようですが、コウモリなどを補食していることから樹上での狩りも可能ではあるようです。
小さい獲物は丸ごと食べることが多く、消化されない爪、羽などはそのまま糞に排出されています。
西表野生生物保護センターの飼育映像では、生き餌のサキシマスジオ(ヘビ)やトカゲは頭から尻尾まで丸ごと食べてしまっていました。



★繁殖★

2〜4月頃に発情期のピークを迎え、この時期にはオスとメスがともに行動して交尾を行っているようです。
(写真家の横塚さんが観察した個体においては、メスの後をオスがついて回っていたようです。)
ネコ類は「交尾排卵型」であり、交尾の刺激が排卵を誘発するため、発情期間中には頻繁に交尾を行うものと思われます。
今までの観察結果からは、全体の性比(オス個体とメス個体の比率)はほぼ1対1であると推測されます。

妊娠期間は不明ですが、他のヤマネコと同様65日前後ではないかと推測されています。
4月〜6月頃にメスが樹洞などで出産をしますが、1回に1〜3頭を産むと考えられています。

沖縄こどもの国で飼育されていた「ケイ太」の観察では、保護された直後の(推定)生後5週の頃はミルクを飲み、生後6週間頃から生き餌を食べはじめ、生後7週間で排便を自分で行うようになったそうです。
野生の場合は、生後半年ほどは母親が側にいて狩りの仕方などを教わり、さらに生後2〜3年は半自立状態で、母親の行動圏に留まっていることがあるようです。
子供がオスの場合はその後母親のもとを離れてなわばりを探しますが、メスの場合は母親の側で生活しているようです。

イリオモテヤマネコの繁殖や子育てについては観察が難しいこともあり、まだわからないことが多いようです。



★寿命★

1967年に捕獲され国立科学博物館で飼育されていたメスは推定9才7か月で死亡。
1979年に弱っているところを保護されて沖縄こどもの国で飼育されていたケイ太(オス)は推定13才2か月で死亡しています。
1986年に交通事故に遭い、西表野生生物保護センターで保護されたオスの個体「よん」は、飼育期間最長となる14年8ヶ月飼育されました。推定年齢は15歳1ヶ月と推定されています。

一般に野生状態は飼育状態より寿命が短いので、野生での寿命は10才以下であると推定されています。
また交通事故やその他の理由で寿命を全うできない個体もあるため、全体を平均すると寿命は4〜5年程度ではないかと言われています。

[ 投稿者:はなずきん at 20:32 | イリオモテヤマネコデータベース | コメント(0) | トラックバック(0) ]

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