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HPから引っ越してきました。
このページは、2001年よりホームページとして作成していたものを2017年にブログに移設したものです。

基本的に文章は当時のまま、コピーしています。

まだお引越し途中ですので、コンテンツが抜けている部分がありますが、徐々に移行していきますのでお待ちください。

2001年05月30日
恋の理由(わけ)
私は、イリオモテヤマネコに恋しています。

きっかけは、図書館で借りた一冊の本でした。
その本のタイトルは「追いかけて、イリオモテヤマネコ」

西表島に移り住み、イリオモテヤマネコの野生の状態での写真撮影をしていた、写真家の横塚眞己人(よこつかまこと)さんの書いた本です。
私はもともとネコ好きで、道ばたにネコがいると寄ってちょっかいをかけずにいられません。 たまに実家に帰った時も両親への挨拶もそこそこに、飼い猫を探すようなありさまです。

「追いかけて、イリオモテヤマネコ」を私が手にとったのも「ネコが好きだから」というだけの理由だったのですが、実はもうひとつだけ「イリオモテヤマネコ」に反応するきっかけが私の中にありました。



その頃、わが夫婦は「チョコエッグ」というお菓子に、いやその中におまけとしてついている「日本の動物シリーズ」フィギュアに熱中していました。(今でも集めていますが…)

単価わずか150円の玩具付きのお菓子にいいオトナがなぜ熱中していたか、というと、そのおまけの動物の出来が非常に良かったからです。(知る人ぞ知る、海洋堂という老舗の模型屋さんがこのおまけの原型を製作しています。)

ラインナップが「日本の動物シリーズ」というのもまたツボをついていて、ラインナップにはアマガエルなどのポピュラーなものから、「こんな動物日本にいたの?」というようなマイナーなものまで入っています。

しかも中に何が入っているかは開けてみるまでわからないため、イキモノ好きのうちの夫婦はそれぞれの好きな動物を出すために、えらく大量のチョコを消費するはめになり、そのためにちょっと太ったというおまけまでついてしまいました。

そのチョコエッグの動物のラインナップの中に「イリオモテヤマネコ」はいたのです。
もともとネコ好きな私はイリオモテヤマネコを苦労して手に入れてご満悦でしたが、この時点では私はそんなにイリオモテヤマネコに関心が強かったというほどではありませんでした。

ただ「チョコエッグ」をきっかけに野生動物への興味が以前よりも強くなり、図書館でも動物の本のあたりをうろうろする機会が増えました。

そんな時に見かけた本が「追いかけて、イリオモテヤマネコ」だったのです。
軽い気持ちで手に取った一冊が、その後の私の生活にこれほど深く関わってくるとは、その時は思いもしませんでした




それ以前にも私は「イリオモテヤマネコの百科」という本を借りて読んでいます。こちらにはイリオモテヤマネコの生態や基本データが詰まっており、(今にして思うとちょっと情報が古いのですが)これを読めばイリオモテヤマネコのことはひと通りわかるという本でした。

しかし最初にこの本を読んだ時には、イリオモテヤマネコはけっこう珍しいタイプのヤマネコらしい、とか「私好みの容姿だなあ」くらいの感想しかありませんでした。



しかし「追いかけて、イリオモテヤマネコ」で描かれているイリオモテヤマネコはひと味違いました。



横塚さんの筆で描き出されているイリオモテヤマネコは、他のどの本にもないイキイキとした描写が多く、今まで私が漠然と持っていた「山奥で牙を剥いている獰猛なヤマネコ」というイメージを覆すものでした。
横塚さんの言葉を借りれば「ドジでマヌケなところのある愛らしい動物」…まさにそこに惹かれてしまったのです。


もちろんその「愛らしさ」はイエネコの魅力とも共通する部分が多いのですが、その野性味のある姿、西表の容赦ない大自然の中で精一杯に生きる姿は、イエネコとは違う独特の魅力が感じられました。


そして何より、横塚さんが追いかけていたメスネコ「キレミミ」の話に私は参ってしまったのです。(この猫は耳の一部が切れているので横塚さんが「キレミミ」という愛称をつけていたのです。)

横塚さんの目標は「ヤマネコの親子の写真を撮ること」だったので、そのために一匹のメスネコ、キレミミをマークして、親子連れの撮影を狙っていました。
このキレミミは警戒心が強くないのか、あるいは横塚さんとの相性が良かったのか、ブラインド(撮影用のテントのようなもの)に隠れている横塚さんの前で居眠りをしたり、毛づくろいをしたりとリラックスしていたようです。

シャッター音にもおびえることがあまりなかったようで、そのおかげで横塚さんが撮ったキレミミの写真は数多く残されています。しかも、居眠りしていたり親子連れだったり、あるいはオスとのランデブーだったりと、他の人はまず撮影できていない貴重なショットばかりです。

キレミミ以外のイリオモテヤマネコの写真もたくさん撮っている横塚さんですが、キレミミに対する気持ちは特別なものがあったようで、文章からは彼女に対する愛情がひしと伝わってきました。

また文章だけでなく、横塚さんの撮った写真はどれも素晴らしく、イリオモテヤマネコの魅力にあふれていました。
本の中でキレミミの話の章のタイトルは「キレミミにノックダウン」でしたが、私もそれを読んで、「キレミミと横塚さんにノックダウン」されてしまったようでした…。

この本は、単なる読み物として読んでも非常に面白くオススメです。
他にも私が気に入っている部分はたくさんあるのですが、たくさんありすぎて紹介できないのが残念です。
ヤマネコに関心がある方も、ない方もぜひご一読いただければと思います。
詳細は「関連図書紹介」カテゴリをご覧下さい。



「ノックダウン」されて以来、イリオモテヤマネコに関することをもっと知りたくなり、あらゆる関連図書を読み、それでも足りなくて昔イリオモテヤマネコを飼育していたという上野の科学博物館に行って、はく製以外に何も展示がないのにがっくりして係の人に話を聞きにいったり。

さらに行っても見られる確率が低いのは十分承知していながら、それでもイリオモテヤマネコの暮らす島に行ってみたい、ということでとうとう西表島にも行ってきてしまいました。
この恋患いは、かなり重症のようです。



こうしてイリオモテヤマネコにはまってしまった私ですが、最初から「ヤマネコのページを作りたい」と思っていたわけではありません。
実は私がこのページを作ろうと思ったきっかけは「イリオモテヤマネコに関する話をいろんな人に聞きたかった」からなのです。


というのも、イリオモテヤマネコに関する本というのは非常に数が少なく、しかもちょっと古い本しかないのです。最近も研究はされているはずなのに、一般の人が手に入れられる情報はほとんどありません。

イリオモテヤマネコは西表島にしかおらず数も少ないですから、実際にヤマネコに接して研究している人はかなり限られており、そういう人から情報を入手しなくてはこれ以上詳しいことはまずわからないでしょう。
絶滅の危機に立たされている動物の「今」の情報がわからないほど歯がゆいことはなく、私はとにかく少しでも多くの情報が得たくて必死でした。


…と書くとちゃんとした理由のようですが、実際は「好きな人のことはなんでも知りたい」というのと同じで、とにかくヤマネコに関することに触れていたかっただけなのです。
私が独身であれば、西表島に移り住んでヤマネコを追いかけていたかもしれませんが、今はそこまではできないので、せめて情報だけでもという気持ちでした。


上野の科学博物館に行った時、とにかく何か情報が欲しくて「イリオモテヤマネコの飼育日誌などは公開していませんか?」と係の人に尋ねてみたのですが「どうしてそういったことを知りたいのですか?動物関係の研究者ですか?」と聞かれ「いえ、ただ好きなだけです」と答えちょっとけげんな顔をされたということがありました。
マスコミ関係者でも研究者でもない人がこんなことを聞きにくることはまずないのでしょう。

確かに私は「イリオモテヤマネコが好きなだけ」なのですが、手に入れられる限りの本を読み尽くしてそれでもまだ足りない、私のこの「恋」の状態をどう説明したらいいものやら。
申し込みをすれば昔飼育担当だった方のお話を伺えないこともないようではありましたが、研究者でもなんでもない「一般人」の私がそこまで迷惑をかけるのもどうか、と思いそれはあきらめました。


科学博物館からの帰り道、私はふと「そうか!イリオモテヤマネコのホームページを作ればいいんだ!」ということに気付きました。
「ホームページを作るといえば、取材のために話を聞かせて下さいと言える」
そんな理由で、私はこのページを作ることになってしまったのでした。

イリオモテヤマネコは「天然記念物」として名前はよく知られていますが、その姿や生態は一般の方にはほとんど知られていません。ネコ好きの私でさえ、関心を持って調べてみるまでほとんど何も知らなかったのですから…。

西表島に野生生物保護センターが設置され、保護への道を一歩踏み出した現在でも、依然としてイリオモテヤマネコの保護対策が十分とは言えない状況です。
この貴重な生物と西表島の大自然を保護しつつも、西表島に住む人たちも満足して暮らして行くためには、もっと多くの人に関心を持ってもらわねばならないと感じています。


今現在、あまりにもこの生物について一般の人が得られる情報が少なすぎると思うのです。
「芸能人に会いたくて、テレビ局に入社する」みたいな、私個人の不純な動機で作ることになったページではありますが、せめて私のページが「イリオモテヤマネコの現状を伝える」役割を少しでも担うことができたらと思っています。
このページをお読みになった方がイリオモテヤマネコに、そしてその保護に関心を持っていただけたらとても嬉しいです。



この愛らしい動物がどうかこのまま絶えることなく生き続けてくれますように。



イリオモテヤマネコに、愛をこめて。





※この文章は、2001/5/30にアップされたものをそのまま掲載していますので、当時の情報のまま書かれています。


[ 投稿者:はなずきん at 15:49 | はじめに | コメント(0) | トラックバック(0) ]

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