
【千曲川の状態を説明する松田副組合長】
上田市小泉の「上田道と川の駅 おとぎの里」てらこや部会(部会長 髙橋大輔・長野大学教授)はこのほど、上小漁業協同組合などと共催で第2回「これからの千曲川を考える会」を上小漁協で開いた。
考える会は、千曲川を利用して活動する団体がそれぞれの活動内容や情報を共有し、団体間の協働の可能性を検討するため第1回を開催。2回目の今回は消費者の会や学生を含め佐久から新潟県のサケの団体まで千曲川に関わる多様な団体が参加した。
活動報告では上小漁協の松田耕治副組合長が、現状と課題を語った。
松田副組合長は、組合員1200人の組合組織の説明や、アユの放流量を増やせば増やすほど赤字が出る千曲川の課題で「支流のアユは育っているが、千曲川で思うようにアユが育たない。(原因として)えさになる藻類、コケが育っていないのではないか」として、にごりのある水質、夏場の水温上昇による藻類のあかぐされ、ブラックバスなど外来魚が増加して水生昆虫を食べることで昆虫が川底をきれいにする作用が失われ、新鮮な藻類が育つ条件の悪化などをあげた。
また、河川の流れを直線的にすることで河床が下がり、岩盤が露出、河川自体の保水能力が落ちて水量の減少などから、魚の隠れる場所のため魚礁の設置を提案した。
組合員から生息する魚の割合で「アユやウグイなどは、魚が1トンいるとすると100㎏程度しかない」と、川の状態が大きく変わっているとした。
また「魚が魚を食べるのは簡単なことではない。外来魚を調べると水生昆虫が多い」などの声もあり、現在の千曲川がアユの育ちにくい環境になっている現状を話し合った。