【白井氏】
上田市は1日、来年4月1日から公立大学法人長野大学の初代理事長に、元信州大学繊維学部長で、佐久学園副理事長・佐久大学信州短期大学部学長の工学博士、白井汪芳氏(76)=上田市長瀬=を任命予定とする発表を市役所で行った。
公立大学法人長野大学の定款により理事長は、上田市長が任命する。
母袋創一市長は「繊維学部長を4期8年務め、数々の要職を歴任し、長野大学の公立大学法人検討委員会の委員長も務めていただいた。研究者として機能繊維などを開発し、教育者としても高い評価を得ており、大学の経営にも精通している。大学の教育研究面と管理運営面にこれまでの経験を生かしてほしい」と期待感を語った。
白井氏は「上田の地を最も愛している一人だと思っており、上田のために尽くしたい。苦難を乗り越えてきた長野大学の皆さんの意志を継いでゆきたい。大学運営は困難な時代で、皆で知恵を出し合ってどこにも負けない大学づくりをしたい。これまでつくられた立派な中期目標(案)をいかに実行に移すか、改革を実行したい」とあいさつ。
質問に答えて「大学の特色づくりが重要で、しっかりしたビジョンを掲げて皆で実現する。市民の皆さんの要望、地域の企業のためになることも大切。中期目標(案)には学部学科の再編、大学院をつくることがあげられている。理工系はどのような方向が良いのか、地域が必要としているもの、技術や研究オンリーでなく、幅広く挑戦できる人材を育成したい。運営基盤の確立のため外部資金を導入する手立ても研究したい。上田や東信はさまざまな高等教育機関があり、協力することが大切。トップと話し合いながら連携を進めたい」と抱負を語った。
白井氏は信州大学繊維学部卒、工学博士は大阪大学。現在は信大名誉教授、佐久学園の役職は来年3月末で退任予定。上田市観光大使で、AREC理事長。繊維学会功績賞や産学官連携功労者で文部科学大臣賞など多くの賞を受賞。