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2009年05月14日
本:知らないところで:パリのおばあさんの物語:スージー・モルゲンステルヌ作:岸恵子訳:☆☆☆☆




この前街でみかけたおばあさんの物語でもある。

さっき遅めの晩ご飯食べながら読んだんですが、実に面白かったです。あ、絵本です。
単純に、老いるのって大変!とばかり言う訳でもないし、老いるのって楽しい!って言う訳でもないし、穏やかに微笑みながら、こういうことよね、って言っているおばあさんの物語でした。でも返す返すもその目は笑ってるばかりじゃないねんな。

ユダヤ人の老婆の物語であるので、所々にまぁそういう話が出てきて、ある意味で、生きてるだけで素晴らしいとかそういうのはもう結構食傷気味です、と言いそうにもなるのですが、ものっそい気になるってほどでもなくて、やはりニュートラルな語り口の印象が最後に残りました。そんでその凄みに鳥肌たったりもしましたね。

一人で買い物とかしてるおばあさんは寂しそうだけどそんなん大きなお世話だけど、でもやっぱり寂しいんだよなー。そして最終的にはみんな結構寂しいよなぁ、なんて思いましたね。

知らないところで、って言うのは、岸恵子という人は女優だとしか思っていなかったんですが、背表紙などみると色々と物書き稼業も営んでらっしゃって、こんな絵本の翻訳などもなさったと。知らないところで面白いことってのが日々起きてるんだよなぁ、と思いましたね。ネガティブな意味でなく、愉快な気分になりました。あとは、こういうの読むと、自分的に星いくつでした!みたいにするのがつくづくアホらしくなりますが、まぁ続けますよ。

[ 投稿者:guerrero at 01:39 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2009年02月15日
本:あの曲思い出した:Sydney ! :村上春樹:☆☆☆☆


村上春樹による、2000年におこなわれたシドニーオリンピックレポート。

オーストラリア行ったことないんですけど、装丁の写真いいですねー。
「しィドゥにー!」って声に出して読みたい題名でもある。
単行本↓の装丁も好きで実は持ってるんですが、先日成田でにわかに再読したくなって衝動買いですよ。


日本で見てた、「東京だからできる、新しいオリンピック」(うろ覚え)ってキャッチコピーへの猜疑心が引き金ってのもあると思います。どうも僕は東京って土地を信用してない節があるのですね。勘違いだったら嬉しいんだけれど、でもきっとあんたの「新しい」と俺の「新しい」は違う、みたいな。

退屈な「オリンピック」にぶちぶち文句を言いながら、しかし確かにある「胸に突き刺さる瞬間」を村上節で深く切り取る、って感じ。マラソンについての共感の下地となる素養が(もしくは想像力が)僕にもうちょっとあったら更に楽しめたのかもしれません。でも文章によって僕の胸にもその瞬間が突き刺さったし楽しかったよ。

これを読んでいて思い出したのが、斉藤和義の「幸福な朝食 退屈な夕食」で、
ベートーヴェンは(たぶん)髪をかきむしりながら「苦悩を通して歓喜を」と叫んだわけだけれど、それは遥か昔、血湧き肉踊る、ロマン時代の話である。そのような日々はとうに過ぎ去ってしまった。今となっては、「退屈さを通して感銘(のようなもの)を」、というあたりが、僕らが現実的に手に入れられる、まっとうな部類の精神の高みなのではないか。そしてオリンピック・ゲームとは(少なくとも僕にとってのオリンピック・ゲームとはということだが)、そのような密度の高い退屈さの究極の祭典なのだ。(ワラビー熱血篇 p.175. 引用者によって傍点を下線に改変)
というのが作品全体を通したトーン。

オリンピックという巨大かつ退屈な装置の内側で「生身の」おっさんが割合楽しく過ごしている様子も面白かったです。もちろん、そのおっさんは「村上春樹」ではあるのですが。統計だと一年間で鮫に喰われるサーファーは一人って話なのに二人目が!ってやけにこだわったり、動物園のワラビーのだらしなさに文句たれてたりしてんの。パソコン盗まれたりもしてた。


[ 投稿者:guerrero at 23:54 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2008年08月04日
本:だがしかし:ベルカ、吠えないのか?:古川日出男:☆☆☆☆



戦争の世紀に吠えるイヌサーガ。

なんというか、信頼に足る友人から勧められた、っていう理由だけで、
なんの予備知識もなく読んだんですけど、面白かったー。

読んでいて、自分も吠えたくなるんだけど、あとがきで、

私も吠えられたらいいのだろう、
しかし、吠えることはイヌにだけ許されるのだと断言出来る

みたいにあるのを読んで、ぐぐぐってなる、そこまで含めて確かに「爆弾」でした。

でも、なんつーか、自分の中の爆弾に気づかされた気がしましたよ。

人間(ヒト?)に出来るのは耳を澄ませることだけなのかもしれない。

だがしかし。だがしかし。

[ 投稿者:guerrero at 00:23 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(2) | トラックバック(0) ]

2008年07月28日
本:映画か。映画なんか。:ジャージの二人:長嶋有:☆☆☆☆



おっさん二人(しかも親子)が軽井沢の別荘に行く話です。
それだけで読む価値があると言えはしまいか。

『アヒルと鴨のコインロッカー』の監督さんで映画化なんですってねそういえば。
あれも面白かったらしいじゃない。いいなー。ネパールじゃみれないのよねー!

伊坂幸太郎のアヒルの方の映画化は、あんまりぴんとこなかったんですけど、
つうか『サイドカーに犬』も観てないんですけど、
長嶋有の作品て映画にすると良さそう。

キャベツ畑でデウス・マキナに祈る女子高生(適当)と闇に紛れる浅間山とかねぇ。
きっととても綺麗ですぜ。

『泣かない女はいない』の、モノレールみたいのの車窓から見える、
ビルで仕事してる人の描写とか、すごい目に浮かんだものなぁ。

長嶋作品を読んでいると、他のに比べて、
透明な膜の向うの出来事を見ている気分がすごいするんですよね。
すでに映画を観ている気分みたいな。

そういう風に書かれていないのに『アフターダーク』(村上春樹)気分ていうのは、
つうかあれか、三人称使いがすごい上手いんだろうか。

『パラレル』の奥さんが歩いてる様子とか、
『タンノイのエジンバラ』の女の子がオーディオいじってる様子とか、
『ぼくは落ち着きがない』の図書部の座り方とか、

どんどこ目に浮かぶ。

どたばたしたりしながらも、
そんな風景の底に流れる泣きたくなるような静謐な空気が、
もし映像になっていたら鳥肌立つんでないか。

っていうような素敵な作品を書く長嶋有ですが、
先日、真心ブラザーズ桜井秀俊の「続・あんた最高だ!」に、
実に素敵な文章を投稿してらっしゃいました。
興味のある方は是非。『ジャージの二人』も是非。

参考リンク:続・あんた最高だ!








『タンノイのエジンバラ』の装丁イカす。

[ 投稿者:guerrero at 22:31 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(2) | トラックバック(0) ]

2008年04月22日
本:2年越し:日本文学盛衰史:高橋源一郎:☆☆☆☆



先日読了。

この本には苦労させられたんですよ。だいぶ前に読み始めて、途中で積んだり置き忘れたり引っ越した勢いでどこにあるのかわからなくなったり。
なんでネパールに持ってきたのか、というかいつ見つけたのかもよく覚えてないんですが、まさかネパールで読み終えることになるとは、昔、連れの車に置き忘れた時の僕には想像もつきませんでしたね。

そういう意味で変な思い入れがある本なんですが、面白かったですよ。

明治の、日本文学が産声をあげてる時代に、数多の日本文学者達が生まれて死んでいくっていう、そして僕らも生まれて死んでいくっていう、題名通りの作品。

連載ものをまとめたからか、なんか途中で息切れしたのかな、って印象があるんですが、とっつきやすいところだとありけん歴史館みたいな面白さがあるので、読みやすいですね。文学二次創作。歴史は今と地続きなんだぜ。

なんか色々難しいこと考えちゃいそうになる本なんですけど、せっかくなので、基本笑って読むのが良さそう。登場するキャラの中で一番好きなのは石川啄木!みたいな。
「蒲団'98 女子大生の生本番」第一話から「我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか」の第四話までが一番好き!

[ 投稿者:guerrero at 03:21 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(4) | トラックバック(0) ]

2005年10月12日
本:有名な本なのでしょうが:ロビュションの食材辞典:J・ロビュション:☆☆☆☆


そういえば,昨日行った喫茶店に,『ロビュションの食材辞典』ていう本が置いてありまして.ニシンのところに,「何であれ,それを生かす術さえ知っていればよいのだ」などと,また箴言めいた言葉があったりと,面白い本でした.食材の歴史とかも書いてあったりして.フランス人て感じだよなぁと思いながら熟読しましたよ.おもしろいおもしろい欲しい欲しいと思って,背表紙をみたら,値段は5000円+税でした.高い.

でも,財布に余裕があって,実利的な情報以外のものを本に求める方でしたら,僕の代わりに,もしくは僕を差し置いて購入して損は無いと思いました.具体的には,『Lonely Planet』よりも,『地球の歩き方』を好む人にお勧めです.A4サイズくらいのでかい本なので,本棚にも余裕があると尚よいです.蛇足としては,日本語版の監修が,「愛のエプロン」でおなじみ服部幸應ということで,あのおっちゃんやっぱりやるのだなぁと思ったりもしました.

最近カテゴリー分けがわけわかんなくなっていますがね.

[ 投稿者:guerrero at 01:23 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2005年06月22日
本:青い車:よしもとよしとも:☆☆☆☆


ワールドユースが始まるのを待ってる間暇なので,ぶらぶらネットサーフィンをしていたら,よしもとよしともが石渡治の弟だと知りました.まじっすか.僕の中で2人がまったく繋がっていなかったので,すごいびっくりしました.へー.その勢いで,よしもとよしともの『青い車』について.

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[ 投稿者:guerrero at 03:06 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(2) | トラックバック(0) ]

2005年05月30日
本:僕といっしょ:古屋実:☆☆☆☆


僕の中では古屋実作品中No.1.毛色は,『グリーンヒル』に近くて,『稲中』と『ヒミズ』の真ん中辺り.まず最初に言っておきますが,基本的に,ゲラゲラ笑える漫画です.そんで,ゲラゲラ笑いながら読むのが正しい姿勢だと思います.全4巻.

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[ 投稿者:guerrero at 00:53 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2005年05月28日
本:夕凪の街 桜の国:こうの史代:☆☆☆☆


平成16年度の文化庁メディア芸術祭,漫画部門で大賞を受賞しているので,ご存知の方もさぞかし多いだろうと思います.僕は去年おかんから紹介されて初めて読みました.「ヒロシマ」について描かれた漫画です.現在のイラクの事とか,ひいてはベトナムの事とか,その他全ての戦争に対して,ヒロシマのある日本に住む僕らには,きちんといわなければならない事があるって事を,恥ずかしながらこの漫画を読んで思い出しました.

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[ 投稿者:guerrero at 10:02 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(2) | トラックバック(0) ]

本:中国行きのスロウボート:村上春樹:☆☆☆☆


「ニューヨーク炭坑の悲劇」が大好きで,他はあまり覚えていません・・・これは,人それぞれに好きな作品が別れそうな気がしますね.


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[ 投稿者:guerrero at 02:27 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2005年05月27日
本:世界は密室でできている:舞城王太郎:☆☆☆☆


これは名作です.作者はものすごく真面目な人だなぁと,これと『みんな元気』所収,「スクールアタックシンドローム」を読んでぼかぁ思いました.言い直します.僕は思いました.お受験とか言ってる世の親には椅子に縛り付けてでも読ませたい.最後のルンババの叫びは胸に沁みますよ.本当に大好き.何度でも読み返せる.


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[ 投稿者:guerrero at 20:29 | book_review:☆☆☆☆ | コメント(0) | トラックバック(2) ]