【はみだし日記】
今日は宮本憲一さんという方の講演会があって、「当然、二川さんも行くんでしょ」みたいなことになっていて、どうも逃げ出せない状況になっていて、しぶしぶ(笑)参加することになりました。近隣の「9条を守る会」の方々なんかを中心に100名近い人が集まったんじゃないかな。大盛況でした。
「大体、宮本憲一って誰よ」とは思わなかったの。信州のこの辺りでは有名な名前なんです。前滋賀大学の学長で、財政学の専門家なんだそうですけれど、どういう経緯か分かりませんけれど、望月町を会場に「もちづき宮本塾」というのが1992年頃から始まって、一般市民や農家なんかが参加して、地方の自立とか農村の再生とかいうテーマで、この宮本先生を中心にした学習会がずっと続いているんです。今は「信州宮本塾」という名前かな。私も話には聞いていたんですけれど、なんだか縁がなくて参加はしたことありませんでした。
それで講演の演題が「沖縄の基地問題と経済・行政の自立」・・・おいおいって感じで、参ったなあって正直思いながら、重い足取りで(笑)30分遅刻して会場に入ったんですけれど、沖縄の基地問題なんかには全然うとい私にはいい勉強になりました。いろいろ思うところがありました。
受付は、例の3000件の問い合わせが殺到した(
過去記事参照)有機農家の林さん。「宮本塾」の事務局なんだよね。他にも、農家の姿も結構ありました。忙しい時期だと思うけれど、やっぱりこの地域での宮本先生の人気ってすごいのかな。
基地をめぐる近年の沖縄の動きを順を追って話してくれたんですが、沖縄の複雑な世論の動き、地方自治と中央政府との緊張関係、そしてやはり「平和」と対峙するものは「戦争」というよりもむしろ「経済」なのではないかというようなことを考えさせられました。
1995年に米兵による少女暴行事件というのがありましたよね。そこで一気に沖縄に反基地の世論が盛り上がりました。当時の大田知事はこの世論を追い風に、政府がアメリカと協議した沖縄基地再編計画に徹底的に対抗し反対するわけです。この大田知事の行動を時の最高裁が違法の判決を出すなどガチンコ勝負の様相を呈していたわけですけれど、それに続く知事選で、大田知事は負けてしまうんですよね。
というのもね、沖縄開発庁なる役所の補助金事業が8兆円にものぼり、それも本土の50%補助率に対して沖縄だけは100%。つまり国のお金で道路、港湾、下水道の類がじゃんじゃん作られるわけ。更に1995年以降は基地市長村に1000億円。とにかく国のお金が湯水のように沖縄の世論対策に流れ込み、それにもかかわらず所得水準は日本最低(平均の70%)、失業率は最高。とにかく国からのお金の流れが止まったら困ると騒ぐ人たちが山ほどいるわけです。
そんな中で、沖縄財界を代表する稲嶺知事が誕生しました。やっぱり大田じゃゼニが入ってこなくなるっていう心配する声には勝てなかったわけ。この稲嶺知事は、基地再編問題を門前払いにはしないけれど、言うことは言いますと言うわけね。それが基地の「軍民共用」「15年期限付き」。今、それが日米協議の中で完全に無視されて、それで稲嶺知事は真っ向から反対の立場を取っています。
稲嶺知事は17の候補地から基地の移転先を「名護の海上」としました。その名護市で、移転の是非を問う住民投票が行なわれました。政府は、「防衛」や「日米安保」に関することは政府の専権事項だからとタカをくくっていたわけですけれど、フタを開けると9割が基地移転に反対。これは一定程度政府を慌てさせることにもなったと思うんですけれど、それに続く名護の市長選では、基地の誘致賛成派の岸本氏が当選しちゃうんですね。やっぱり、「基地」は欲しくない・・・でもゼニの流れが止まっちゃったらどうするんだ・・・っていう分裂した市民の意識がそのまま選挙結果に出たと思うんです。
長野県も似てるよね。せっかく田中知事を選んでおいてさ、あの県議会を作っちゃうんだもんね(笑)。田中知事の力を8割方そいじゃったと思います。これも県民の分裂した意識の反映なんでしょうね。
名護に話を戻すと、基地をめぐって対立しているのは「平和が大事だ」という人と「戦争をしたい」という人・・・ではないわけですよね。「平和」と対立しているのは「お金が減ると困る」「儲けが減ると困る」という思いなんだということが、よく分かると思います。
ずっと貧乏でいろとは言いませんけれど、一時的には貧乏になったってしょうがないと腹をくくることも、反戦平和には必要なんだと思います。政府から直接流れ込む公共事業を当てにして沖縄の建設業は全就労者の12%にものぼり、製造業や農業などは停滞の憂き目を見ています。観光業や健康食品も一見盛況のように見えますけれど、ほとんどが本土資本で地元の経済に寄与していないということです。まずここを見据えて、経済の自立、中央政府の補助金行政からの自立を図ることが反戦平和の第1歩のようです。
選挙の際のテレビに流れる街頭インタビューなんかでも、当たり前のように「景気をなんとかして欲しい」なんて答える人が多いけれど、「平和」や「環境」よりも「景気」を第一に挙げてしまう意識というのは、「戦争」により近い意識なんだと思います。
名護市長は推進派でしたけれど、絶え間ない市民運動によって今はまだ工事用の測量すら阻止されているということです。
今、マスコミ等では北朝鮮の脅威とか、中国の軍事力の脅威とかが声高に言われているそうですね。ならば尚のこと、靖国参拝のことなどにも配慮して、アジア全体の共生と調和ということを考えないといけないのではないかと宮本先生はおっしゃっていました。もろ手を上げて、じゃたりないよ。両足も上げて賛成しちゃうよ。
個人の生き方で正しいことは、国のあり方としても正しいんだと思うんですよ。まあ、くだらないたとえ話ですけれど、ヘビメタ大好きのロック青年がいたとして、ロックは大音響で聴かなきゃ本当の価値が分からないとかいろいろこだわりがあったとしても、ご近所さまから、「うるさいからなんとかして下さい」って抗議されたら、自分がどんなに大音量で聞くロックが好きかとか、子どもの頃から大音量で聞くのが夢だったとか、そういうこと言っててもしょうがないでしょ。ご近所さまとも仲良くやっていこうと思ったら、人のいやがることはしないようにしようと思うでしょ。それだけのことですよ。オレの生き方の干渉するのか!とか言わないでしょ? 自分がされたくないことは人にもしないようにして、仲良く生きていこうと思うでしょ?
ところで「共謀罪」の強行採決ってどうなったのかな。
自慢じゃないけどテレビも新聞もないのよ。酒しかない(笑)。じゃ、おやすみ