私が立科町にやってきた1998年、小諸のコイルの巻線をやってる会社の面白い社長さんが、環境問題にも強い関心を持っていて、自分の会社の敷地にある空いている建物にエコショップを開こうと考えました。私、いろんな縁に導かれてそのグループに参加させていただいて、全然友だちのいなかったこの長野県で、このお店のおかげでたくさんの友だちとの縁を育てていただきました。
この社長さんがね、翌年だったかな、同じ会社の敷地にある使わなくなった倉庫をライブハウスにすると言い出して、近くの詳しい人に監督をまかせてライブハウスを作っちゃったんです。監督を頼まれた方はこだわりの強い人だったみたいで、チョー本格的なサウンドスタジオになっちゃって、「私、こんなに金かけるつもりなかったんだけど」なんて社長は嘆いてたんですけれど、「スタジオ・M」は堂々のオープンを迎え、周辺のアマチュア・ミュージシャンもたくさん押しかけて、、長野県東部の音楽シーンの発展に大いに貢献することとなりました。(「スタジオ・M」も「エコショップ・エヴァ」も、残念ながらもう閉鎖されてしまいました。)
社長はただスタジオを人に貸すだけじゃなくてね、自分でプロデュースしたコンサートなんかもやりました。ほら、小諸って島崎藤村ゆかりの土地でしょ? それで藤村の半生を題材に取った歌を歌ってる、メジャーで活躍してる歌手のコンサートもありました。色っぽいかわいいおねえちゃんでね、社長も明らかに大ファンになってる模様でした。島崎藤村関係なかったと思う(笑)。ごめん、まじで名前思い出せません。
そのとき音響を担当していたのが、のちに私にインターネットことをいろいろ教えてくれるkenちゃんです。機械に強いし、本人もギターやボーカルをやるミュージシャンでもあったのね。それで、その日にオープニングアクトを務めたのが、ユッコこと坂口由起子さんでした。
私、お金もなかったし、その日のコンサートには行けませんでした。でも社長が私に、いいコンサートだったからビデオで見てみろってテープを渡してくれたの。
そのとき初めて観たの、ユッコさんのステージ。・・・エレキピアノ1本の弾き語りでね、家族のこととか環境のこととか、素直に歌ってる。透き通った声がぐんぐん前に出てくるの。忘れられないのは、タイトル忘れちゃったけど(← こら)、「お祈りのこと」を歌った歌ね。苦しんでる子どもとか、傷ついた兵士とかが、安らかな気持ちに戻れるようにってお祈りする歌なの。それからアメイジング・グレイスにメドレーで続いて、深い深い感動を覚えました。
それからは、ユッコさんはやっぱり地元でファンが増えてきてね、「アースディin佐久」でも、公式テーマソングに「大切なこと」が採用されたりね、小海町の「きょう子&ター坊」もこの「大切なこと」をカバーしてあちこちで歌ったりね、支持をゆっくりと広げていきました。私も小さな会場だったり、道の駅での無料コンサートだったりしたけど、ユッコさんのステージ、たくさん観たよ。
そして、アースディや、kenちゃん渾身の地域ポータルサイト作りの「アサマで.com」プロジェクトに参加したりして、ユッコさんとも親しく言葉を交わす機会に恵まれて、ユッコさん&kenちゃんとの縁も深くなって、あの初めてビデオを観た日のことを思い返すと、あのステージに立ってた人と仲よくなれるなんて信じられないと、今は本当にうれしく思ってます。
昨日ね、ホントに久しぶりに買ったCDが届きました。

ユッコさんの初のフルアルバム「榛 hashibami」を買ったんです。(ユッコさんに業務連絡。今日ちゃんと振り込んだよ。心配だった?(笑))。ミニアルバムは出してたから、私のとってはユッコさんのCDは3枚目よ。
今ね、8回目くらいかな(笑)、聞きながらパソコンに向かってるとこです。
今回の売りはなんと言ってもね、
映画「shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」の2作品で、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞の周防義和さんがプロデュース・アレンジを担当してくれたってことなんです。
「ユッコさんと周防さん」
坂口由起子オフィシャルウエブサイトより
この人、雇おうと思ったら、とんでもない思いをすると思うよ。いくらかかるか分からないよ。アースディの会場でユッコさんに聞いたら、ユッコさんの歌を聞いた周防さんが、手伝ってあげるよって声をかけてくれたんですって。うん、分かる分かる、周防さんの気持ちが。完全にタダだったかは聞かなかったけど、おそらくタダ同然だったんじゃないかと思う。
ユッコさんは若い頃、ヤマハのポプコンに入賞したりして、頭角を現してたんだけど、プロになろうとかあんまり考えないで、家庭に入って子育てもしながら、でも歌が好きで好きでどんな小さな会場でもよろこんで歌ってたのね。その陰ではいつもダンナさんのKenちゃんがマイクやスピーカーをセットして走り回ってた。
でもピアノ1本の弾き語りは、何曲もやってると、やぱり単調になっちゃう感は、いなめないと思うんだ。ユッコさんもそれを感じてなのかどうか分からないけど、アフリカの打楽器「ジャンベ」を操る地元ミュージシャン矢嶋さんと「ユッコと矢嶋りょう」というユニットを組んで、CD「yellow」を2005年に発表したり、その後も更に違う形のユニット結成の試みを続けていたところに、周防さんが現れてくれたのね。
やっぱり、それぞれキャリアを積んでるミュージシャンが集まるとね、みんな自分の世界があるから、オレはアンタのバックミュージシャンじゃないんだよ、みたいなことにもなるかも知れない(← あ、これ想像で言ってます、ごめんなさい)。でも、周防さんは他の人を輝かせるためのプロだったのね。映画を輝かせるために音楽を作り、シンガーを輝かせるためにアレンジをし、仕事を発注してくれたクライアントを輝かせるプロだったの。その周防さんの腕の中で、とうとうすごい世界を、ユッコさんは創り上げました。
「榛 hashibami」 全11曲
01.らせん階段
02.楽園
2曲ともアップテンポの、奇をてらわないバンドサウンドです。
「責めなくてもいい/頑張らなくてもいい/つまずいた時こそが生きるチャンス/眠っていた自分に気づくチャンス」と歌う「らせん階段」は、オープニングにふさわしいナチュラルで楽しい曲です。
続く、楽園が一番最初に好きになった曲ね。「目を閉じて思い出してごらん」のあたりでベースがブブブーンと跳ねるでしょ。うおっ!かっこいいって思いましたよ。「その足もとにじゃれる子猫を抱いてごらん/信じることは感じること/信じるってことが暖かい」。これはライブでかなりうけそうよね。
ちょっと順番に全部コメントするには時間がないや。どうしても書きたいことだけ。
07.虹をかけよう
08・雨音はVALSE
09.眠りの森で逢いましょう
雨のイメージで一気に聞かせる3曲ですけれど、圧倒的な完成度です。計算されつくした音の重なりで、この3曲は特にユッコさんが周防さんを意識して真剣勝負で向かっていった気迫を感じました。それを周防さんが横綱相撲で手加減なく迎え撃って、ゆったりしたゆったりした曲なんですけれど、音のひとつひとつに火花を感じるほどの完成度だと思います。真ん中の「雨音はVALSE」は、唯一、ユッコさんの詩に周防さんが曲をつけたナンバーなんですけれど、他のユッコさんのオリジナルと完璧に調和しながらも、この曲が唯一ワルツなんですよね、アルバムを聞き終わった後に、「ああ、いろんな曲があったなー」って感じさせるのにこの曲の存在は大きくて、やっぱり誰かを輝かせるために仕事をする周防さんの真骨頂が現れていたと思います。
06.キンモクセイの香るアパートで
ユッコさん独特の物悲しい旋律から、明るいサビへとつながる「キンモクセイの香るアパート」は、「キンモクセイが香るアパートで/唄は身体の中に湧き立つ/耳に届く全ては空耳/聞きたいものだけ聞く」という、深く内面を指向する詩の世界で、今回のアルバムの歌詞全体を象徴する一節と思います。「内なるサナギが殻を破りはじめ羽を広げていく」という「楽園」の歌詞とも響き合って、心の中の自分らしさ、緊張から解放された自分の内面から湧き上がるものをしっかりつかんで、改めて日常へ、そして世界の現実へ向かい合おうという、ユッコさんが今達している境地がここに示されていると思います。
そしてサビが美しいんだ。「春には春の 夏には夏のキンモクセイが必ず咲いていることを」って歌ってるところはね、化粧品のテレビCMのバックに最適なキャッチーなフレーズと思います。菅野美穂ちゃんが顔になんかヌリヌリしているバックに、今すぐこれを流しても充分通用するよ。
そしてね、この曲なんかにも特に顕著だけれど、いいアレンジが入ると、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」みたいな楽曲の構造がはっきりとしてきて、すごく印象に残りやすくなる。
04.ココベリ 2008version
前作「yellow」でも一番人気の曲の再アレンジ。お祭みたいに賑やかだよ。やりたい放題(笑)。周防さんの「どうだ、オレと組むとこんなにすごいんだぞ」っていう声が聞こえそう。
もう、夜も遅いからこれくらいにしておくよ。
あ、そうそう。これだけ「いい、いい」って紹介しておいて、音楽そのものをみなさんに聞かせられないのは残念ですけれど、前作「yellow」が一部がユッコさんのサイトで無料公開されています。「songs」というコンテンツに入ってみてね。おすすめは、1曲目の「ココベリ」と3曲目の「風の唄」かな。他もいいですけれど。それでね、一番下に、この「ココベリ」を周防さんがアレンジしたインストバージョンもある。これを聞いて新作の世界を想像して下さいませ。
坂口由起子オフィシャルサイト あ、それでね、このユッコさんのオフィシャルサイトにはいろんな機能があってね、税金の還付が受けられるから「shop」をクリックして、住所と名前入れて送信してみてね。
(↑ おい! 還付金詐欺の犯人はお前か!)
いい、音楽は人をハッピーにさせるよね。
もっともっと書きたいことあるけど、もうさすがに時間切れだよ。おやすみなさい。
「おにばば」こと「きょん!」さんも、ユッコさんの世界に魅了された方の1人です。「
おにばばたちのいるところ」
これからはさ、ユッコさん、日本中を相手にして歌っていこうよ。今回のアルバムの布陣は、それを現実のものとしてくれると思うよ。がんばろー
(↑ おまえこそガンバレ)
今日の午前中は「山裾の人」さんらと一緒に、今度の憲法講演会のチラシ作りをやりました。今回は本気で宣伝するからね。もうお客さん11人で笑われたりしないからね。また、この講演会のことはしつこく話題にするから、みなさんよろしくね。
じゃ、またね。