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2017年05月22日
ろには様子が

「一衛さまの、お気持ち次第……ということです。染華を苦界から助けてやるのも、相馬さまを仕官させるのも。」

そっと猿轡を外して、乱れた着物を直してやった日向は、耳元にささやいた。

「大久保さまは、新政府のお役人です。きっとお力になってくださいますよ。お情けにお縋りされてはいかがです。」
「卑怯者……。直さまは、清廉な方だ。そのような姑息な手は好かぬ。」
「聞き分けなさいませ。木に縁りて魚を求むという諺もございましょう。手段を誤れば何も手に入れられません。一衛さまは、まるで穢れのない赤子のまま大きくなったような方ですねぇ。」

その言葉に、なぜか清助のことを思い出した一衛だった。
世間を知らぬ愚か者だと言われた気がする。

「足抜けしようとしたあの娘はどうしたのですか?」
「染華ですか?奥の仕置き部屋で、足抜けの責めを受けておりますよ。」
「責め……?捕えた時にあれほど打ち据えていたものを。」
「廓での足抜けは、花魁の一番の御法度です。二度とそんな気を起こさないように、体に傷を残さぬように、牛太郎が4人がかりで染華を嬲っているはずですよ。あれをご覧になれば、一衛さまもお気が変わるのではないでしょうか。」
「か弱い女子に、なぜそこまでの無体をする?」
「苦界というのはそういうものですよ。その為にわたくしどもは、三味線も弾けない百姓娘に大金を払うのです。廓の仕置きをご覧になりますか?」
「要らぬ……」

直正が帰ってくると、いつも一衛は話を聞きたがった。
今日はどこでどんな話をしたとか、誰に会ったとか、他愛もない話を目を輝かせて嬉しげに聞いた。
だが、最近は気分がすぐれず、部屋に籠って休んでいる日が多い。

「起きているか、一衛。」
「……あい。」
「今日は栃餅を買って来た。懐かしいだろう?」
「お帰りなさい、直さま。」
「飯はちゃんと食ったのか?日向さんが、具合が悪くなったと言っていたが?」
「大丈夫です。直さまがお帰りになるこ起きようと思っていたのですが、眠ってしまいました。」
「疲れが抜けていないのだろうな。食うか?」
「……あまり食欲がありません。直さまがお召し上がりください。」
「好きな栃餅も喉を通らないとは……いつもと違うな。医者を呼んでもらうか?」
「いえ……」
[ 投稿者:者にしか知 at 16:50 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2017年04月11日
じ職場たちは




街中はハロウィン一色になってきた10月の末。サンフランシスコの部屋を離れる引越しでハロウィンイベントはなし。11月から2週間夫の住む家に戻り、再度アメリカを離れる準備をする。


10月中旬に、カナダはバンクーバーの友人を訪ねた。旅行というほどのものではなく、移民手続き関係でし濾水器hkばらくカナダから出られない彼女を知り、私の方から会いに行った。前回大阪で会ったのはいつのことだったろう。

空港で声をかけられた時に、あまりにも違う雰囲気の彼女に驚かされた。単に年をとったというだけではない、顔つきに著しい変化があった。母親の顔だった。

友人に隠れるようにして6歳の息子が恥ずかしそうに挨拶をする。前回は彼が幼稚園に行っている時間だったので会うことはなかったが、彼女がブログに写真を頻繁にアップしているので顔は見慣れている。彼は英語だと安心するらしく英語での会話ですぐに打ち解けてくれた。

バンクーバーは10年前に旅行で来ていた彼女と落ち合った以来の街だ。あの時はオリンピックで地価が搬屋公司收費沸騰している話題で持ちきりで、いつしかオリンピックは行われ知らぬ間に終わっていた。うなぎのぼりだった物価の上昇も最近になって少し落ち着いているという。

オリンピックの聖火台がある公園を散歩しながら話し、翌日ハイキングに一度行ったくらいであとはとにかく私たちは話し続けた。昔話は楽しい。25年前に1年だけ同で働いていたというだけの関係なのに、こうして機会があれば落ち合って話ができる関係を築いているのも、彼女が大阪の人間だからだと思う。
彼女が著しい衰えを自覚していることを語っていた。なんでももう旅の計画を立てることが苦痛だという。たかだか一泊するための宿泊地を検索することさえも面倒だというのだ。だから私が今こうして旅をしていることに驚愕と尊敬の念を抱いてると表現していた。あれほど旅をしたがっていた彼女の口からそう訊くのは意外な感じがした。

日本にいる時はママ友その他社会のプレッシャーで色々気をつかわなければならないけれど、ここバンクーバーでは何も気にせず服装さえも気にせず、購買欲もないと魚肝油 dhaいう。シングルマザーの生活はしんどいけれど、日本にある面倒臭いこともない。息子がこちらで生活したいと望んでいるので、してあげられることをしてるという。確かに彼女の表情にあるのは、欲をなくした落ち着いた女性そのものだ。
[ 投稿者:者にしか知 at 13:11 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2017年03月20日
を愛さず揃って

「人魚となってから、お前を抱くのは初めてだが、わたしのものはどうやらお前のものとは違っているようなので心配になった。だが、ずっとこうしたかった。」

頬を染めたヤークートが、マハンメドの腰に手を回した。

「わたしも……わたしも、マハンメド……長く待ちました。ずっと、愛されたかった。あなたの容になるまでわたしを愛して……わたしのスルタン?マハンメド。」

真珠の光沢のある上半身に手を伸ばし、まるで美しい二枚貝、テンシノツバサのように二人は完璧な一対you beauty 美容中心好唔好となり抱き合った。固く閉じた目蓋を縁どる睫毛を濡らし、挿入されたヤークートは青ざめた肌を悦楽に震わせた。

「あ……っ、ああっ……!」

のけぞった喉元の鰓孔が忙しなく開閉し、潤った内壁がぬるりとまとわりつき冷たい吐精を求めた。閃光の瞬間、互いの名を呼んだ。

「ああ、マハンメド……」

「ヤークート。」

薄い胸に飾られた、小柱のような薄赤い突起が色づいて紅色に輝いた。
愛の溢れるどこまでも美しい情景だった。
寄せては返すさざ波の様な快感がマハンメドの背筋を這い登る。淫蕩で清らかな青い小さな人魚に永遠を優纖美容好唔好誓って、マハンメドは自由な魚になった。人だった過去を忘れられないマハンメドには、唯一の憂いがあった。
生き別れた小さな王子は、父の亡き今、市井に生きていた。母は、新しく叔父の後宮に側女として入ったが、王子は物心つくと一人生きる道を望んだ。
宰相は自分の種だと信じていたようだったが、その姿は間違いなくマハンメドと瓜二つで、濃い緑の玉石のような瞳までそっくりだった。
戦乱のどさくさで宰相の行方は知れず、噂では白波に呑まれるのを見たとも、自害したとも言われていた。母は、あなたは「スルタン?マハンメドの正統な後継者なのです。」と告げたが、青年には顔も覚えていない父や亡国の身分などどうでもよかった。
高窓から見える、広大な深い海だけが彼の心を癒やした。

褐色の王子は何故か海が好きで、王宮に生きる貴人の道を棄て、周囲の止めるのも聞かず身ひとつで叔父のyou beauty 美容中心好唔好王宮を後にした。
王子の持つ唯一の財産、一粒の虹色真珠を売り払い、小さな船を買うとつり銭はそこらの物乞いにくれてやり、しばらく漁をしていた。

糸も垂れずに船だけが静かな波に揺れる時、青年の船が沖に出るだけで、魚は甲板に跳ねた。それは、漁師が海に愛されている証だった。
青年がその船を繰って漁に出かければ、波は穏やかになり、必ず船が傾くほどの大漁になる。

「どうやら、わたしは海に好かれているらしいな。」

自分の分を取り分けると、残りは皆くれてやって青年は笑っていた。誰もが、この漁師にはいられなかった。

……漁師は、一度、沖合で人魚の姿を見たことがある。
仲の良さそうな人魚はこちらをじっと見つめ、そんな時、青年は酷く懐かしい想いにかられた。人魚は、母の持つ、太守を写したと言う焼き絵の人物に似ていた。
[ 投稿者:者にしか知 at 13:12 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2017年03月07日
しまい乗って現

小さな声で抗ってみたが、禎克の精いっぱいの抵抗は、周囲の賑やかな声にかき消されてしまった。

「なぁ、なぁ。おまえ、名前なんて言うの?」

「……こ、金剛禎克(こんごうさだかつ)です〜。」

可哀想なくらい見た目にそぐわぬ、男らdermes 激光脫毛しいごつい名前を名乗ったら、大二郎は目を丸くした。


「……引っ張れば取れるかな。」

「……?取れるのか、これ。」

男の子になりたい湊が食い付いた。

「ん?だって、こいつに付いてたって、おちんちん無駄じゃね?」

「そうだな。いっそ湊についてたほうが良いよな?湊にはないんだ、おちんちん。」

「え?まじで?お前、すげぇかっこいいのに。何か、残念だな。」

「だろ?何かさ、親が言うには、湊が腹の中にうっかり残して来たのが、何かの間違いでさぁちゃんにくっついちゃったらしいんだな。だから、さあちゃんのおちんちdermes 脫毛んは、ほんとは湊のじゃないかと思ってる。」

「どうかしたら、外れるのかな、これ。」

二人は顔を見合わせた。半狂乱になった禎克は、大好きな川俣先生によしよしとされて、やっと人心地ついたようだった。
涙がとめどなく溢れ、川俣先生のポロシャツがしっとりと湿ったころ、やっと禎克は顔を上げた。

「かわ……また先生。ぼく、ぱんつはく……。」

「そうね。」

川俣先生の腕の中で泣きやんだ禎克が、気を取り直して降り立った。

「さあちゃん。けっこう男らしいとこあるんだ〜。」

「え?」

女の子たちが傍に寄ってきて、褒めてくれた。男らしいなどと、いまだかつて言われたことの無い禎克は目を丸くしていた。
言いたいことも言えずに、いつも湊くんの後に隠れているだけだった女の子みたいに可愛い「さあちゃん」が、男の子に格上げされた瞬間だった。
もっとも、下半身はふりちんで、間抜けdermes 脫毛價錢なままだったのだけれど。
その夜、大二郎の父親が川俣先生に話を聞き、菓子折りを持って自宅に謝りに来た。
禎克の母はかかってきた電話に丁重に断りを入れたのだが、気が済まないので謝罪にお伺いします、と向こうは食い下がった。
住宅街の禎克の家に長いリムジンにれた、その人物のインパクトはかなりのものだった。

「夜分に恐れ入ります。本日二回公演だったものですから、お伺いするのがすっかり遅くなってました。なんでもこちらの坊ちゃんに、うちの子倅(こせがれ)がずいぶん失礼なことをしたそうで申し訳もございません。」
[ 投稿者:者にしか知 at 13:04 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2017年02月20日
つは俺ちが
「あの人は、いつも自分を捨てて周囲を助けてばかりだった。人の尻拭いばかりで若ぇ時から損ばっかりしてな……親父が向坂組を劉二郎に継がせようと思うって打診したときも、自分にはガキもバシタもいないからって、弟分の俺に華reenex 效果もたせてくれてな。いつも鴨嶋の兄貴は、俺を本当の弟みてぇに盛り立ててくれたのよ。兄貴には一生かかっても返せねぇ恩があるんだ。」

向坂は、最後に鴨嶋劉二郎の姿を見たのは、先代が肝臓がんで余命いくばくもないと分かった時だったのを思いだした。
見舞いに来た鴨嶋の手を握り締めて、痩せ細った向坂は、一目もはばからずぼろぼろと子供のように泣いていた。

「兄貴ぃ……俺ぁ、こんなになっちまったよ。人様を泣かして気ままに生きた罰が当たったのかなぁ……」
ずいと膝を進めて、劉二郎は向坂に返杯した。
鋭い眼光の前に、向坂は内心圧倒されている。懐の深さ、胆力、どれを取っても、目の前の年寄りの方糖尿上眼治療が自分よりも数段上だと認めざるを得ない。くぐってきた修羅場の質が違う……と思った。

「なぁ、坊よ。大昔の事だがな、俺ぁ、ムショに行ってる間にバシタをヒロポンで失くしてなぁ……。死んだ向坂が跡目を継ぐときに、言ってくれたのよ。向坂組では金輪際、ヤクはやりませんってな。兄貴みたいに身内をヤクで失くした奴を見るのは辛いからって、向坂はバシタの位牌に誓ってくれた。俺ぁ、その時、あいつの前で泣いたぜ。気持嬉しくてなぁ……。俺も極道の端くれとして、ヤクが一番金になるのは知っちゃいるが、あいの気持ちを汲んでくれたのよ。今は関東興産と名前が変わっちま尖沙咀找換店ったが、俺と先代の約束事ってのは生きてるかい?」

「そりゃあ、もう……あの、叔父貴。」

向坂が言い訳めいたことを口にする前に、鴨嶋劉二郎は先手を打った。
[ 投稿者:者にしか知 at 12:56 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2017年02月07日
ンガ道を選ん
清介は自分が月虹を慰めるだけの道具でしかないと思っていた。
行為を受け取るだけで、決して期待してはいけないのだと、何度も自分に言い聞かせていた。分かっていても、それは少しだけ悲しい。
それでも、清介は不実な恋人が好きだった。

月虹は、自分の愛は周囲に惜しみなく与えるべきものだと思っていた。自信家で傲慢な過去の月虹は、誰彼Unique Beauty 好唔好かまわず与え続ける行為が、自分だけを見つめる誰かの純真を傷つけるものだと知らない。
腰を打ち付け、二人の間に響く淫猥な水音が、互いを求め合うものだと信じていた。隠微な音がする度、清介の内側で何かが少しずつ壊れてゆくのに、月虹は気が付かなかった。
言葉少なに、自分に打ち付ける腰に揺さぶられながら、清介はじっと下から月虹の顔を見つめていた。

清介は思い悩んだ末に、月虹に想いを寄せたまま傍にいるのが辛く、逃げ道を探した。
父の急な海外赴任にかこつけて、転校Unique Beauty 好唔好するだのは、好きだからこそ平気で他の者になる月虹を傍で見て居たくなかったからだった。
月虹はそんな清介を詰った。

「なぁ……清介が一人でこっちに残るってのは無理なのか?どうしても向こうに転校しちゃうの?おれはお前が傍に居なくなるのは寂しいぞ。寮だってあるんだから、こっちに残れよ。何なら、おれのマンションに来たっていい。部屋ならいくつもあるんだし。」

「う……ん。ぼくも寂しいけど……。家族は、できるだけ一緒にいる方が自然だって思うんだ。」

「恋人同士も一緒にいる方が、自然じゃないのか?」

「……いっぱい手紙書くね。」

「清介のバカ。もう、いいよ。シポールUnique Beauty 好唔好でもバンコクでもどこでも行っちゃえ。」

「月虹……ごめんね。」
[ 投稿者:者にしか知 at 16:30 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2016年12月28日
しは夢に良に出
「すぐに熱は出すしアトピーは酷いし、喘息に良いからって水泳始めたら、すぐに滲出性の中耳炎になるし。俺、家も近かったしガキの頃、結構面倒見てたんだよ。」

「そうだったんですか。」

「あいつも細いけど、陸上部で何とかやってるだろ?俺の後を一生懸命くっ付いて走ったりしてたから、朔良dermes 價錢は丈夫になったんだと思うんだ。やっぱり体力付けるなら持久走だな。」

ゆっくりと起き上がる里流に手を貸し、どんとベンチの横に座って彩は諭すように話をした。

「片桐も無理をせずに、毎日、少しずつ体力をつけろ。ロード練習も無理せずに1キロ走れたら、次は2キロって距離を伸ばして行こう。俺が卒業までに、お前を元気にしてやる。もっと肉を付けてがんがん走ったら、きっと付いてこれるようになるからな。諦めるなよ?一緒に夏の大会に出るぞ。」

「は……ぃ。……あっ……」

ふいに溢れた涙に、里流よりも彩の方が慌てた。

「片桐!どうした?苦しいdermes 脫毛價錢のか?……片桐……?いいから、息が辛いなら横になれ。」

「すみません……おれ、うれしくて。みんなの足手まといになってるって知ってたから、今迄みたいに、毎日いつ諦めろって言われるかなって思ってました。」

「そんなこと言うわけないだろう?片桐は大事な部員の一人だ。何しろ9人しかいないんだからな、一人欠けても困る。うちのチームは、全員レギュラーだぞ。」

「……小学校の時からずっと周囲に、運動はやめておけって言われてきたし、中学の時もスコアラーだったし、高校でも……同じかなって、諦めかけてた所だったんです。レギュラーなんて、考えたこともなかった……」

「片桐。諦めるなよ。」

織田彩は、まっすぐに里流を見つめていた。

「諦めなければ夢がかなうなんて、都合の良いことは俺はないと思う。だがな、努力する奴は別だ。叶わなくても来たことが、片桐に出来ないはずはない。体力付けて、喘息に勝て。」

諦めなくてもいい、そう言われてdermes 價錢思わず泣いてしまった里流を、彩は本当に時間をかけて
里流は彩の作ったメニューどうり、毎朝の走り込みから始めた。
自宅から学校まで、4キロ余りの道のりを最初は半分歩くようにして走っていたが、やがて次第に走れる距離とタイムが伸びた。
[ 投稿者:者にしか知 at 13:09 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2016年12月13日
くださは悲運と
ぽんと放り込まれた金平糖の甘さに、清助に掛けられた温情を思い出し、思わず目頭が熱くなる。
会津の関で別れてから、何日経嬰兒揹帶っただろうか。

「……すみませぬ……直さま……。」
「一衛。もういいというのに。」

一衛は、直正の重荷になっているのがつらかった。
二人で力を合わせて力をつけようと、国許を出てきたのに……もう、どうしようもない。
ゆく当てもなく路銀は尽き果ててしまった。
これ以上の重荷になるなら、いっそ直正の目を盗んで自害しようと、一衛は密かに心に決めた。
見上げれば長い板塀の向こうに、二階建ての漆塗りの豪奢な家があり、窓から家の主人らしき男がのぞいていた。
どうやら二人は男が商いをしている家牛證熊證の裏口に座り込んでいたらしい。
直正は、無意識に一衛を背に庇った。

「連れが熱を出し、いささか難儀している。」
「それはお困りでしょう。おや、また雨が降り始めましたね。」
「できれば、しばらく休ませてやりたい。頼めるか。」
「よろしゅうございますよ。少々お待ちください。」、

やがて、裏木戸が空き、大きな番傘を広げた男がどうぞと招く。

「旅の途中でいらっしゃいますか?どちらから江戸にいらっしゃったので?」
「……会津だ。」

いまさら、嘘をつく気もなかった。
藩主、松平容保公は正義の貫き方を間違えただけだ。
敵と味方、佐幕と勤皇、どちらにも国を思う正義があり、負けたほうは賊軍と呼ばれ排斥された。それだけのことだ。
直正は、半ば捨て鉢に告げた。唯一つの良心にしたがって、追い詰められて挙兵した悲劇の主を、心あるも冷氣機の気の毒がり、あるものはあからさまに侮蔑の視線を向けた。

「おお、これは会津のお方でしたか。お待ちい。すぐに食事の用意をさせましょう。ああ、その前にすすぎをお持ちいたします。」
「え……?」
「どうかいたしましたか?」

会津と名乗った後は、再びその場を追われるものと覚悟した二人に、意外な言葉が降ってきた。
[ 投稿者:者にしか知 at 13:23 | 者にしか知 | コメント(0) | トラックバック(0) ]

2016年11月25日
ちがの懐か

「ここにおいで。もう気分はいいんだ。柳川は大げさで困る。」

「旦那様。ご無理はいけません。」

起き上がろうとした主人に、執事の柳川は思わず口調を荒げた。子供のころから長年、寄り添って生きて迪士尼美語 好唔好来たと言う柳川には、当主も頭が上がらない。身内よりも長く一緒に過ごして来たのです、と以前聞いたことが有った。

「柳川……久しぶりに夢を見たよ。」

『なんの夢でございますか?』

『なんの夢を見たの?』

思わず同じ質問をしてしまい、柳川と東呉は顔を見合わせて笑った。

「あれは……あの風景は、子供の頃に初めて訪れた大江戸だったな。紅柄格子の二階建てが、明々とした迪士尼美語 好唔好雪洞(ぼんぼり)に照らされていた……美しいが誰もいない場所は寒々としていて、柳川が傍に居なければ逃げ出してしまいそうだった。」

「そうですか。柳川もお傍に居りましたか。」

「腐れ縁だの。」

「そういえば、爺ちゃんも大江戸に行ったことが有ったんだ。あそこは、夢みたいな場所だったね。ぼくも時々は思い出すよ。初めて見た水化粧の雪華花魁の姿は、ほんとに夢のように綺麗だった。」

「そうだな。東呉には一度話しておくのもいいかもしれない。その昔……わしの時代にも、色々なことが有った。」

祖父は寝室に置いた写真立ての、一枚の色あせた写真を懐かしむようにじっと見つめた。

「それ、じいちゃんの昔の写真?」

「いや……これは、兄の光尋とその情人の写真だ。」

「軽装だけど、これ。この人は花魁だよね。」

「ああ。戦後すぐのころの、花菱楼の雪華大夫だ。この人が居なかったら、今のわしはここに居ない。大江戸で一方ならぬ世話になったんだ……まさに地獄で仏……ではないな、菩薩にあったような心持がした。」

「へぇ……。由綺哉さんの何代前の雪華花魁だろう。この人も綺麗だね。」

セピア色の写真を眺めていると、極彩迪士尼美語 好唔好色しい大江戸の風景が脳裏に浮かんだ。

明治新政府が、公家、藩主諸侯、そして自分た特権を得る為に新しく作った華族制度は、大戦後GHQによって廃止され、それ以来華族階級の生活は一変することになる。
平安時代から続く由緒正しき高貴な柏宮子爵家も例外ではなかった。
50人もいた使用人も財政難で今や櫛の歯を抜くようにすっかり減っている。
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2016年10月17日
や季節ゅさ
貧乏旅は大変だったけど、ものすごく楽しかった。たくさんの人々にお世話になり、
この上ない人生経験になりました。

イタリアでハンサムな兄ちゃんに食い卓悅冒牌貨逃げされたり、スペインでおっちゃん達とトランプして
騙されてお金取られたり、タイで大下痢の高熱で寝込み、成田空港でコレラの疑いがかかり
検疫に連れてかれて検便する羽目になったりと、ハチャメチャな旅でしたが、
また機会かあればその話もお伝えしたいと思います…。

私は今までに30ヶ国近く旅しましたが、その中でも人々が一番親切だと思った国は
アルジェリアとトルコです。

アルジェリアは、国や役人はひどかったが、街で出会う人々はみんなとても優しかった。
純粋で心がきれいで、何度彼らに助けてもらったことか。
だから、アルジェリアで頑張ってた日卓悅冒牌貨本人が今回のように人質に取られるのは
あまりに悲しく痛ましい。
湾岸戦争以来、日本もイスラムの敵国として見られているんだから、
イスラム圏で働く日本人に対しては充分な安全が確保されるよう、
日本は危機意識を持って守ってあげてほしい。

アルジェリア人はみんな優しかった、でも、アルジェリアという国家は別物だと思う。
そして、アルジェリア人が大好きだからこそ、アルジェリア国家は日本や世界の国々と
良い関係を築いてほしい。
そして、みんなが安心して訪れられるようになり、アルジェリアの個々の人々の本当の姿や
優しさを多くの人々に知ってほしい、そんな日がきてほしい、と心から思うのです…。
今年は長く寒い日が続いたと思ってましたが、ここ滋賀県では
桜は入学式までに満開を過ぎ、強風で一気に散ってしまいました。
今年の満開は遅いかと思ってたのに、植物はちゃんと咲き頃を
間違えずにいるんですね、どうやって気温を知るのかは
わかりませんが、毎年同じ頃に花を咲かせることに感心します。

春は私の好きな山菜シーズンです。
3月の20日頃に、京都の丹波、美山町の田舎にふきのとうを採りに
出掛け、花粉症で目をこすり卓悅冒牌貨鼻をぐしゅぐしせながらも
山ほど収穫し、天ぷらにして春のほろ苦い風味と鮮烈な山の息吹きや
香りを楽しみました。
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